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デーヴァナーガリーの読み方
- 基本字母(子音+
)
デーヴァナーガリーは音節文字であり、原則として[子音+母音]で1文字になります。
次に基本字母をかかげますが、すべて
という音を含んでいることに注意してください。
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上の表のローマ字の左につけられた数字は、
辞書などでの文字順を示しています。
- 基本字母(母音)
母音の表し方は大きく2つに分かれます。
まず、母音だけの音節は次のような独立した字母で表します。
- 基本字母(子音+
)の
を他の母音に変更するには
「子音+
」の
を他の母音に変更するときは、記号を付加します。
下は
に記号をつけて、
、
…などを表すやり方です。
例外として、
(
)、
(
)、
(
)
などの形に注意してください。

は、WindowsのArial Unicode MSでは
となりますが、
実際には
のように記されるのが普通です。
- 記号と数字
- ヴィサルガ……
の右側の:です。
母音のあとの気音を表わします。
- アヌスヴァーラ……
の上の点です。
鼻母音を表わします。
- アヌナーシカ……
の上の月形+点です。
これも鼻母音を表わしますが、めったに出てきません。
- アヴァグラハ……
という字です。
サンスクリットではある一定の条件で、語頭の
が省略されるのですが、
その際にこれを書きます。ローマ字では
と書きます。
- 句読点……
(左から順に、読点、句点)です。
ただし散文の場合は実質的に、左が句点、右は段落全体の最後というところです。
詩の場合は、半詩節の区切りが左、一詩節の区切りが右になります。
たとえばシローカという形式の詩は、16音節×2という形式なので、
16音節で左、32音節で右の区切りがつくというわけです。
- 数字……
(左から順に0123456789)です。
- 結合子音字
このように、デーヴァナーガリーではすべての文字が母音をもった音節を表します。
子音のみを表したいときは、
のように文字の下にナナメ線(赤字部分)をつけます。
これをヴィラーマといいます。
では、2つ以上の子音が連続する場合、例えば


と書くには、ヴィラーマ記号を活用して
と書けばよさそうですが、
実際には
といった
独特の結合子音字を用います。
結合子音字の作り方は、概していえば、
- 縦棒のある文字の子音+別の子音……その縦棒を除いた形にしてその右に次の字をくっつけます。
たとえば、


と書く場合、
母音のない
は、
を使って、
のように左右くっつけます。
- 縦棒のない文字の子音+別の子音……次の子音字を下に書きます。
(例)
(

)
(
)+別の子音……
(

)のように、
次の子音のシロレーカーの上にカギ形を書きます。
-
別の子音+
(
)……
(

)のように、
前の子音の左下にナナメ線を書きます。
-
(
)、
(
)、
(
)、
(
)、
(
)、
で始まる結合子音……
上記の規則で結合子音を作ってもいいのですが、
次に同系統(子音表の同じ横の行)の子音が来る結合子音の場合、
前の子音をアヌスヴァーラで書くという簡略記法があります。
たとえば



は、
という書き方と、
という書き方とが共存しています。
この書き方は、わずらわしい結合子音を避ける簡略記法といえます。
- その他、例外形……
(

)、
(

)、
(

)
などいろいろ、注意を要すべき例外形があります。
出てきたらそのつど覚えましょう。
なお、

はヒンディー語ではギャのように発音されますので、
サンスクリットでもそう発音されることが多いです。
おもな結合子音字
※ゴンダ文法p.4-6の表をWindows XPのArial Unicode MSフォントを使用して打ってみました。
ゴンダ文法と書体が異なったり、結合子音になっておらずヴィラーマを使用した形になっているものもあります。








- 分かち書き
本来、デーヴァナーガリーは一切分かち書きをしないことも珍しくありませんでしたが、
現在では、単語末が母音、ヴィサルガ、アヌスヴァーラであるときに限り、
次の語との間を分かち書きするのが普通です。
単語末が子音のときは、次の語とくっつきます。
すなわち、単語末が子音で次語頭が母音のときは、
上記3のような形で次語頭の母音はただの付加記号になってしまいますし、
単語末が子音で次語頭が子音のときは、上記5のような結合子音字になってしまいます。
※念のためいうと、単語末が母音で、次語頭も母音のときは、
たいていこの2つの母音が融合して1つの母音になってしまいます。
こういう場合はデーヴァナーガリーはむろんのこと、
たとえローマ字であっても分かち書きは行われません。
このような現象が起こらないときにはじめて、語と語の間は分かち書きされるのです。
また、サンスクリットでは複数の語が結合して複合語を作ることが多く、
時にかなり長大化することもありますが、
複合語の各成分の間は原則として何もつけません。