ヒトーパデーシャ3-2
虎の皮を被った驢馬の話

ハスティナープラにヴィシャーラという洗濯屋がいた。 彼のロバが過度の運搬の仕事によって弱って死ぬ寸前だった。 そこでその洗濯屋はそのロバに虎の革をかぶせ、 森の近くの農産物の中央で解放した。 そこで田畑の持ち主たちは遠くからそのロバを見ると、 虎だと思って大急ぎで逃げるのだった。 さて、灰色の羊毛の生地で作られた身体を防る防具をつけた、 ある農産物の番人が弓に弦を張り、ひそかに身をかがめていた。 いまや栄養がついて太ったロバは、またそれをあまり遠くないところから見て、 「これは雌ロバだ」と思って、 声をあげながらそれに向かって走った。 そしてその番人は、「これはロバだ」と判断してあっけなく殺した。

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