マハーバーラタ3-53-1(1/3)
ナラ王物語-4

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

ブルハダシュヴァは言った。

♪ダマヤンティーは神々に敬礼して、それから笑い出して、ナラに言いました。
「王様、思い通りにおっしゃってください。あなたのために私は何をいたしましょうか? なぜなら、まさに私自身も、そしてその他の私の財宝は何でも、すべてあなたのものだからです。ナラよ、恐れずに愛情を表明してください。ハンサ鳥たちの言葉が私を燃やしたのです。まことにあなたのために、私は王たちを集めたのです。恋しい気持ちを持つ私を、もしあなたが拒絶するならば、私はあなたの行為によって、毒や火や水や縄を用いた自殺をすることでしょう」
一方、ダマヤンティーにこう言われて、ナラは彼女に答えたのです。
「世界の守護神たちがいらっしゃるというのに、どうしてあなたは人間を婿に欲するのですか。世界創造者である高貴な主たちにとって、私は足のごみにも匹敵しません。あなたの心が神々に向けられますように。なぜなら、神々のいやがることをすれば、人は死に赴くからです。完全無欠の美女よ、私を守ってください。最高の神々を選んでください。神々を得ることで、清潔な着物を、そして同様に神聖で鮮やかな花環を、第一の装身具を、どうか享受してください。この全ての大地を破壊してさらに飲み込む者である神々の主であるアグニ神を、どの女が、夫として選ばないことがありましょうか。この神の刑罰への恐怖によって、すべての生物の集団が集まって来て、掟に従うというこの神を、どの女が、夫として選ばないことがありましょうか。正義を重んじ、高潔で、ダイティヤやダーナヴァを粉砕した大インドラ神を、すべての神々の中から、どの女が、夫として選ばないことがありましょうか」

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