マハーバーラタ3-54-1(3/3)
ナラ王物語-5

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

♪(ナラ王のセリフ) 「愛らしい女性よ、あなたが神々の目の前で私を選び、神々への誓いの言葉を発してくれたことによって、私がこのように喜んでいることをご承知ください。私の身体に生命がある限り私はあなたのそばにいましょう。まことにこのことをあなたに言います」
ナラはこのように言葉によってダマヤンティーを歓迎し、合掌しながら…(文章欠落)
一方、お互いに喜んだ二人はその時、アグニをはじめとする神々を見て、まさにかれら神々に心から帰依しました。
一方、偉大な力をもつ守護神たちは、ダマヤンティーがナラを選んだときに、皆愉快な心になって、ナラに8つの賜物を与えました。インドラは満足して、ナラに、祭祀において神を目の前に見る能力と、自由自在な通行能力とを与えました。アグニは、願う所で火を起こす能力と、火の中を通り抜ける能力をナラに与えました。一方ヤマ神は、食物の味を堪能する能力と、掟を守る能力を与えました。水の主ヴァルナは、願う所で水を生起させる能力と、最高の香りのする花環を与えました。そしてすべての神が双生児を与えました。このように彼ら神々はこの王に賜物を与えて、最高天に行きました。
王たちはこのナラ王とダマヤンティーの結婚を知って驚愕で満たされました。彼らは喜んで来た通りに引き返しました。
王の中の王たちが帰ったとき、大きな心を持つビーマ王は喜んで、ダマヤンティーとナラの結婚式を挙行させました。
ナラは、望みのままにそこに止まってから、ビーマ王に送り出されて、自分の町へと戻りました。勇士である王は非常に喜んでおり、掟によって人々を治めながら、まるで輝く太陽のように照らしていました。そしてまた、ナフシャの後裔であるヤヤーティのように馬祠祭によって神をまつりました。また思慮深い王は、他の多くの、豊富な謝礼を払う供犠祭によって神をまつりました。さらにまた、魅力的な森や花園で、神にも似たナラは、ダマヤンティーとともに遊びました。そして心のひろいナラは、ダマヤンティーとの間に、インドラセーナという息子と、またインドラセーナーという娘とをを生みました。人々の主であり、国土の主である彼は、このように神をまつりながら、そして遊びながら富で満たされた国土を守りました。

以上、ナラの物語の第五章

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