パンチャタントラ1-2(1/2)
山犬と太鼓

ある山犬が、飢えてのどを渇かせて、あちこちうろつき回っていると、森で、軍隊どうしが戦っている土地を見た。そしてそこで、太鼓が落ちていて、風の力で蔓草の枝の先端で打たれている音を聞いた。そこで山犬はいらだった心で考えた。
「ああいまいましい。それゆえ、この、音を立てるやつが私の目に入らないような、遠いよその地へ行きたい。しかしまた、こんなに突然に、父祖伝来の森を見捨てることもよろしくない。またこう言われている。

♪恐怖が来ようとも喜びが来ようとも、熟慮する者、そして仕事をあわててやらない者は、後悔を得ることはないだろう。


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