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ラーマーヤナ3-10-53
バラモン殺しの怪物退治
♪人のいうところでは、あるときこの世に、残忍なヴァーターピと、そしてイルヴァラがいた。お互い一緒に住む兄弟であり、バラモンを殺す強大な神であった。
かの残忍なイルヴァラはバラモンの姿をして、バラモンらしくサンスクリットを話し、バラモンたちを父祖祭のために招く。兄に標準語を使い、それから彼らバラモンたちに、雄羊の姿に化けた兄を父祖祭の食事に見せかけた行為によって食べさせた。そして、彼らバラモンたちが食べていると、イルヴァラは「ヴァーターピよ、出て行け」と大きな声で言う。かくて、弟の言葉を聞いて、ヴァーターピは雄羊のように叫び、バラモンたちの肉体を引き裂き引き裂き飛び出した。千人のバラモンは、彼らの思いのままの変身によってこのように、いつも肉を食べることで殺戮せられ、死に至らしめられた。
その時、神々に(怪物退治を)懇願された偉大なる聖仙アガスティアは、父祖祭において父祖祭の供物のつもりでかの偉大なる神ヴァーターピを食べた。そしてイルヴァラは「やったぞ」と言って手にすすぎの水をそそぎ、兄に「出て行け」と言った。
そのとき、そう答えているバラモン殺しの弟に対して、かの、思慮深き最高の聖者アガスティヤは、笑い出しながら言った。
「私のどこから、老いぼれた魔物が出て行くことができようか。雄羊の姿をした兄があの世に行ったというのに」
さて、兄の死について言及した彼の言葉を聞いて、夜の怪物イルヴァラは怒って聖者を襲い始めた。イルヴァラはそのバラモンの第一人者にむかって突進したが、威光輝く聖者によって火のような目によって焼き尽くされ、死に至った。
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