ミリンダ王の問い(自己はない-1/4) - パーリ語リーディング

同一語句を重複している箇所は適宜語釈を省略した。
セリフには「」をつけた。複数文にまたがるセリフもいちいち「」をつけ、発話者を(　)で書いた。

日本語訳…… さて、まことにミリンダ王は、尊者ナーガセーナのいる所に近づいた。
備考……

はもちろん

という代名詞の(中性)単数処格であるが、「

～

…」は、「～のいる所に…」という意味になる。

日本語訳…… 近づいて尊者ナーガセーナにあいさつした。
備考……

日本語訳…… 日常のあいさつの言葉を終えて、一角に座った。
備考……

日本語訳…… 尊者ナーガセーナもまた親しくあいさつをかわし、それによってミリンダ王を喜ばせた。
備考……

日本語訳…… さてミリンダ王は、尊者ナーガセーナにこれを言った。
備考……

日本語訳…… (ミリンダ)「尊師はどのように知られていますか。尊者よ、何という名ですか」と。
備考……

が２人称でなく３人称であるのに注意。

日本語訳…… (ナーガセーナ)「大王よ、私はまことにナーガセーナとして知られています」
備考……

日本語訳…… (ナ)「大王よ、同輩の僧たちは私をナーガセーナと呼びます」
備考……

日本語訳…… (ナ)「にもかかわらず父母はナーガセーナと、またスーラセーナと、またヴィーラセーナと、またシーハセーナと名づけています」
備考……

日本語訳…… (ナ)「にもかかわらず、この、ナーガセーナとよばれるものは、名称、通称、概念、慣用、名のみのものであり、」
備考……

日本語訳…… (ナ)「ここに自己は発見されない」と。
備考……

日本語訳…… そこでミリンダ王はこう言った。
備考……

日本語訳…… (ミ)「尊者たちよ、500人のギリシア人と80000人の乞食修行者たちは私のいうことを聞け」
備考……

日本語訳…… (ミ)「このナーガセーナはこう言った。(ナ)『ここに自己は発見されない』と」
備考……

日本語訳…… (ミ)「これを賞賛することがはたして有益かどうか」と。
備考……