Since 2004/4/27 Last Updated 2006/5/31
名詞には男性名詞と女性名詞の区別があります。人間や生物に関するものは基本的に自然の性と一致しますが、それ以外のものは意味とは全く無関係のうえ、語形から判断がつかないことも多いので、一つ一つ覚えるしかありません。 なお、アラビア語の名詞も男性と女性の別がありますが、アラビア語からの借用語が必ずしももとの性と同じとは限らないので、アラビア語を勉強した人は注意が必要です。たとえば下の「その他の女性名詞」の例で出てくる(本)は、アラビア語起源の名詞ですが、アラビア語では男性名詞です。 単数と複数があります。複数形の作り方は下の変化表の通りですが、アラビア語起源の名詞では、アラビア語式の不規則複数の形も直輸入されて用いられることがあります。たとえば下の「その他の女性名詞」の例で出てくる(本)は、ウルドゥー語/ヒンディー語としての複数形は、ですが、アラビア語での複数形は、なので、どちらの形も用いられます。 2つの格がありますが呼称は文法書によってまちまちです。このサイトでは主格と斜格と呼ぶことにします。斜格は後に後置詞がつくときの形です。他の文法書では、「主格/後置格」、「直格/斜格」などと呼ばれます。 このほか、呼びかけは斜格を用いるのですが、複数形がちょっと異なるので、特に「呼格」という別の格をもうけている文法書もあります。当サイトでもそうします。
※で終わるいくつかの男性名詞が、次の「その他の男性名詞の変化」に従うことがあります。詳しくは次を。
※いくつかので終わる男性名詞が、この変化に従います。主として外来語、固有名詞、サンスクリット由来語、親族名詞にこういう名詞があります。当サイトの語彙集では「※不変化」と書いてありますし、辞書ではinv.(invariable=不変化.McGregor : Oxford Hindi-English Dictionary)と書いてあったりしますが、まるきり不変化なのではなく、複数斜格は、複数呼格はなので間違えないでください。
形容詞は修飾する名詞の性・数・格に一致、述語形容詞は主語の性と数に一致します。 形容詞はで終わるもののみが変化し、それ以外の形容詞は全くの無変化です。しかもで終わる形容詞の変化も、下にまとめたように、男性単数主格()/男性その他()/女性全て()という非常にシンプルな変化です。 なお、で終わる男性名詞の変化と非常に似ていますが、複数斜格や複数呼格がやになったりせずである点で違います。女性形がいかなる場合もになる点でも、で終わる女性名詞の変化とは違います。 ところでこの、男性単数主格()/男性その他()/女性全て()という変化は、ヒンディー語/ウルドゥー語のさまざまな局面に現れてきます。例えば動詞の現在形、過去形、未来形は分詞(動詞から変化した形容詞)扱いになるので、やはり形容詞同様の変化をしますし、「〜の」を表わす後置詞も、と変化します。このようにヒンディー語/ウルドゥー語ではしょっちゅうこの変化が現れるので、よくなじんでおく必要があります。
上述のように、で終わらない形容詞は全くの無変化です。男性名詞にも不変化のものがありましたが、複数斜格や複数呼格では変化をしました。しかし形容詞は全く変化をしません。 なお、で終わるのに不変化の男性名詞があったように、で終わるのに不変化の形容詞が若干あります。
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