ジャータカ6(6/6)
青鷺の本生物語

♪欺瞞の智慧のある者は欺瞞によって結局は幸福に一生を終えることはない。ずるがしこい青鷺がカニから(滅亡を)得るに至るようなものである、と。

[註]この詩で「欺瞞の智慧のある者は欺瞞によって結局は幸福に一生を終えることはない」という部分は、「欺瞞」とは「欺瞞」を意味する。欺瞞の智慧をもつ、つまりずるがしこい人は、その欺瞞によって、結局はは幸福に一生を終えることはない。つまり、永遠に安楽な場所に立つことができないし、逆についには滅亡に到達してしまう。「到達する」とは「獲得する」という意味。「欺瞞の智慧を持つ」とは、偽善の状態を学んだ智慧を持つ悪人が、自己がなした悪事の結果に到達し、獲得し、知るという意味。「青鷺がカニから〜ように」というのは、青鷺がカニから首の切断を受けたように、同様に悪人は自己がなした悪によって現世あるいは来世において危険に到達し、危険を得るのだ、と。菩薩がこの意味を説明して、森じゅうに命じて声を出させて、教えを示したのだ。

世尊は「乞食修行者たちよ、この男は今だけ村に住む裁縫師にだまされたのではなく、以前にもやはりだまされたのだ」と、この法話を取り上げて、訓戒と関連させて本生物語と結びつけた。
「その時のその青鷺がジェータヴァナに住む裁縫師であった。カニが村に住む裁縫師、また木の神が私であった」と。

青鷺の本生物語解説第8

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