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ジャータカ208(1/3)
ワニの本生物語
昔、ヴァラナシでブラフマダッタ王が国を治めていたとき、ヒマラヤ地方で菩薩は猿の胎に生じ、
象のように力強く、大きな体と吉祥を持ち、ガンジス川の曲がったところ、人里離れた森に住んでいた。
そのときガンジス川に一匹のワニが住んでいた。さて、このワニの妻が菩薩の身体を見て、
彼の心臓の肉に欲望をおこしてワニに言った。
「夫よ、私はこの猿の王の心臓の肉を食べたい」と。
(ワニ)「おまえ、私たちは水に住んでいてこれは陸に住んでいるのだから、いったいどうしてこれをつかまえられようか」
(ワニの妻)「なんとかしてつかまえなさい。もし得られなければ私は死ぬだろう」と。
(ワニ)「それならば恐れるな。あなたにそいつの心臓の肉を食べさせる一つの方法がある、」
と、めすワニを安心させて、菩薩がガンジス川の水を飲んでガンジス川の岸に着座しているとき、近くに行ってこう言った。
「猿の王よ、この地でにがい実を食べながら、どうしてあなたはこの古いなじみの土地に住んでいるのか。ガンジス川の対岸にはマンゴーやパンノキをはじめとした蜜のように甘い果物の限りがない。あなたはさまざまな実を食べるためにそっちへ行って住まないのか」と。
(猿)「ワニの王よ、ガンジス川は水に満ちて広い。どうしてそちらに行かれようか」と。
(ワニ)「もしお望みなら、私はあなたを私の背中に乗せて連れて行こう」と。
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