ジャータカ208(3/3)
ワニの本生物語

♪海の向こう岸にあるこれらマンゴーの木やリンゴの木やパンの木はもう不要だ。私の望むものはイチジクだ。
♪まことにあなたの身体は大きく、そして知恵は身体に適しない。ワニよ、君はだまされたのだ。 もう思いのままに行け。

[註]「そこはこれらで十分だ」とは、あなたが小島において説明したものは、私には不要であるという意味。「私の望むものはイチジクだ」とは、私にとってはこのイチジクの木こそが望むものだという意味。「身体」とは、身体の意味である。「適しない」とは、あなたの知恵がその身体に適合しないという意味である。「もう思いのままに行け」とは、もう思いのままに行けという意味。あなたの心臓の肉を得る方法とは目的を達せられないということ。

ワニは千金を損したように苦しみ落胆し消沈して自分の家へと帰った。

師匠(世尊)はこの法話を取り上げて本生物語と結びつけた。 「その時のワニがデーヴァダッタであり、めすワニがバラモンの娘のチンチャーであった。また猿の王はまさに私であった、と。

ワニ本生物語解説第8

ジャータカ目次へ
リーディング目次へ
パーリ語HOME
HOME