マハーバーラタ3-51-1(1/3)
ナラ王物語-2

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

ブルハダシュヴァは言った。

♪ユディシティラ大王様、一方ダマヤンティーは、ハンサ鳥のその言葉を聞いて、それ以来彼女はナラに対して思い悩みました。かくて彼女は思案にくれ、悲嘆にくれ、青ざめた顔になり、やせこけました。一方それから彼女はため息ばかりをつくようになりました。虚空をみつめ、瞑想にふけり、気が狂ったように見えました。さらに一瞬、愛で一杯の心で、青ざめた容貌になりました。ベッドで寝ていても椅子にすわっていても食事をしていても、いつも満足を得られず、夜も昼も眠れず、ああ、ああと再三泣いてばかりいました。
かくて、ダマヤンティーのお供の者たちは、父のビーマ王に、ダマヤンティーが不健康であると知らせたのです。ダマヤンティーのお供たちからこれを聞いたビーマ王は、自分の娘について、非常に大きなことがおこっていると考えました。かの王は、婚期に達したわが娘を見て、ダマヤンティーの婿選びを、王自らの手でなすべきだ、と認めました。
ビーマ王はさまざまな家の王たちを招き、「勇士たちよ、この婿選びがあると知れ)」と言ったのです。
一方、すべての王たちは、ダマヤンティーの婿選びがあることを聞いて、ビーマ王の命令に従い、象や馬や戦車の騒音を大地いっぱいに響かせながら、種々の花輪や装飾品をつけ、見栄えよく飾られた軍勢を従えて、ビーマ王を訪ねました。
強い腕を持つビーマ王は、彼ら高貴な王たちをふさわしく接待をし、接待された彼らはそこに滞在しました。

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