ラーマーヤナ3-51-1(1/2)
乳海攪拌(かくはん)神話

※韻律をあわせるために人名を別の表現で言い換えたり、「大王よ」などの呼びかけ語をさまざまな表現で挿入したりしている部分は、適宜省略した。

♪ラーマよ、かつて世界の最初には、ディティの息子たちは大きな力を持ち、アディティの息子たちも非常に優れて勇敢でとても敬虔であった。
さて、心の大きい彼らは次のように考えた。「どうすれば我々は不死、不老、無病になるだろうか。乳海のかくはん(攪拌。かきまぜ)をして、そこからしずくを手に入れよう」と。
そして決心して、蛇の王ヴァースキをかくはんの綱にして、マンダラ山をかくはんの棒にして、はかりしれない力でかきまぜた。そして千年間たつと、綱である蛇たちの頭が歯で岩を噛んで、猛毒を吐いた。火にも似たハーラーハラという猛毒が生じた。神も魔物も人間も含め、その毒はすべての世界を焼いた。
そこで神々は偉大な神にして獣の王であるシヴァに保護を求めに行き「まもってください、まもってください」と訴えた。するとここに、ほら貝と円盤をもったヴィシュヌが現れた。ヴィシュヌは微笑んで、ほこをもつシヴァにこう言った。
「最上の神よ、神々がかきまぜたことですでに手元に得られたものは、あなたのものだ。なぜならあなたは神々に先んじた者だから。最高の崇敬を受けてから、この毒を取れ」

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