[ウルドゥー語/ヒンディー語ページ参考書]

傍目八目−ウルドゥー語/ヒンディー語 諸参考書の間違い

傍目八目。自分では学力がなくても他人の間違いはよくわかるものです。 ウルドゥー語、 ヒンディー語関係の参考書を読んでいて気づいた間違いをここにまとめていきます。
これらの言語の参考書は部数がはけないので、 改訂版がいつ出るかわかったものではなく(出なくても不思議ではない)、 間違いがずっと残り続けることでしょう。 こうして間違いをまとめておけば、 孫引きにより間違いが再生産されることもなくなると思われます。 よくいろいろな掲示板で「あの本、間違いが多いからね」などと書いてあったりしますが、 そういう陰口をたたくひまがあったら、私のところにぜひ情報をお教えください。 ここにまとめて、みんなで訂正しながらその参考書を使いましょう。

  1. 鈴木斌、麻田豊編『ウルドゥー語常用6000語』
  2. ※この本には、ウルドゥー語のアルファベットの順序と食い違った配列をしているところがいくつかあります。けっこう多いのと、ほとんどがすぐ上や下を見ればわかるので割愛しました。おそらく人間が手作業でカードを並べ替えたので、いろいろミスが発生したのでしょうね。
    ページ行・箇所原文修正提案
    10 15 [形]〈H〉88の
    43 11 [男]〈P〉回、度、関係 [女]〈P〉回、度。
    [副]〈P〉関係。
    いっしょくたにしているが別語。
    特に、(〜について)のは別語扱いにすべき。 また、「回、度」のほうも、 Platts20th Dic.という形を見出しにしており、 女性名詞としている。
    76 20 [形]〈P・A〉不実な、不貞な 。通常は右のようにつなげて書く。
    76 22 [形]〈P・A〉馬鹿な、愚かな 。通常は右のようにつなげて書く。またついでに母音もより正しいものにしておきたい。
    80 1 [男]〈H〉足 。ハムザの入れ忘れ。
    147 7 [男]〈C〉茶 [男]→[女]。なお、〈C〉も〈Po〉のほうがいいかもしれない。
    195 7 [男]〈H・P〉詐欺師、ぺてん師 。このほうが普通。
    196 1 [男]〈A〉序文、前置き 〈A〉→〈P〉
    200 12 [女]〈H〉種嚢、さや こういう語形もあるのかもしれませんが、他の辞書(20th Dic.Platts)で確認できません。 とりあえずにしておくのが無難です。
    202 6 [副]〈H〉ちょっと 〈H〉→〈A〉
    202 2 [男]〈A〉味、風味 。もっともこの単語集は意図的に慣用的発音を採用していることがあるので確信犯なのかもしれませんが、ヒンディー語の辞書を含めてほとんどすべての辞書でスペルどおりの発音を採用しているので誤り認定させていただきます。
    202 6 [副]〈H〉ちょっと 〈H〉→〈A〉
    209 17 [他]〈H〉泣かせる この語自体は間違いじゃないんですが、イスラーム暦9月・ラマザーン[男]〈A〉がなぜか載ってません。他のイスラーム暦名は載ってるというのに。意図的に抜いたのでないとすれば(ぜひ入れるべきです)この語の次に入ります。
    214 3 [女]〈H〉荷車、手押し車 他の辞書で確認できません。20th Dic.には載ってないし、Plattsにはありますが別の意味「若いマンゴー」です。実際にこう言うのかもしれませんが、そんな単語を常用6000語に入れることには疑問を感じます。
    249 14 [男]〈P〉土曜日 この語自体は間違いじゃないんですが、イスラーム暦10月・シャウアル[男]〈A〉がなぜか載ってません。他のイスラーム暦名は載ってるというのに。意図的に抜いたのでないとすれば(ぜひ入れるべきです)この語の次に入ります。
    265 6 [男]〈A〉の複数 この説明は間違いではありませんが、 肝心のがなんとこの本に採録されておりません。 同ページ14行目のの直前に、 「[男]〈A〉信仰」を補うべきです。 その次のが、同じ意味の女性名詞だったので、 重複を避ける意味でうっかり削除してしまったのでしょう。
    281 1 〜 西暦紀元前 この説明は間違いではありませんが(ちなみに、〜部分には(前に)が入ります)、 肝心の(キリスト、メシア)がなんとこの本に採録されておりません。 ウルドゥー語は文字だけでは発音がわからないのですから、を載せないのであればせめてここに発音を記すべきです。
    284 17 〜 めっきが剥げる この説明は間違いではありませんが(ちなみに、〜部分には(めっき)が入ります)、というスペルの語はとあり、本書にも両方が登録されているのに、発音が書いていないので、どちらかよくわかりません。のほうなのでそれを明記すべきです。
    318 17 〜 警棒を振う この説明は間違いではありませんが(ちなみに、〜部分には(棒)が入ります)、 肝心の(英語のcharge→責任、義務など)がなんとこの本に採録されておりません。 ウルドゥー語は文字だけでは発音がわからないのですから、を載せないのであればせめてここに発音を記すべきです。
    334 16  [男]〈H〉漁夫、漁師 こんな単語は20th Dic.にもPlattsにもありません。たぶんの間違いじゃないでしょうか。「ずいぶん違うじゃないか」と思うかもしれませんが、20th Dic.を見るとニヤリとします。20th Dic.のナスターリーク体ではたしかにに見えなくもないし、印刷の汚れでの左下あたりにゴミがあってそれがに見えなくもないし。
    380 3  [形]〈P〉見えてくる、現われる
    381 3  [女]〈P〉官僚主義

  3. 基礎ウルドゥー語
  4. 2000/7/30 第1版第5刷による

    ページ原文修正提案
    85 7 (ウルドゥー語) .ちなみにローマ字表記は正しい

  5. urdu: teach yourself books
  6.  この本は1999年に発行された後、2003年に新版が出て、1999年版の誤植が一部直っている(音声は全く無修正)。1999年版を持っている人も多いと思うので、以下は1999年版のものに基づき、2003年版でどうなっているかを付記しておいた。
    ページ原文修正提案
    xiv 19 この行(の行)の次にに関する一行を追加すべき。
    2003年版では次の内容が入っているが、音声は修正されていない。
    'just' zoo
    xiv 25 語の意味がぬけている。'toungue' 'language' 'speech' 'word' などを入れるべき。2003年版でも直っていない。
    xiv 25 アルファベット名称のほうをに訂正。2003年版でも直っていない。
    xvii 22右 。(スクリプト・エクササイズ1の右列上から5番目)。2003年版では修正された。
    8 25 thank you このダイアログではなく次のダイアログで初登場。p.13に移動。2003年版でも直っていない。
    11 7 (ウルドゥー語文) 末尾の?印は不要。2003年版でも直っていない。
    12 24-25 (ローマ字) ※ウルドゥー文、テープにあわせた。
    2003年版では訂正された。
    29 6,20 6行目のウルドゥー文、20行目のローマ字とも、の次にを補う。テープではそう発音している。2003年版で直っていない(音声も相変わらずを発音)。
    40 15 (ローマ字) テープではそう発音している。 もっともこれはテープの間違いの可能性大。2003年版は本・音声ともこのまま。
    48 19 (ローマ字) 余計なので削除。2003年版でも直っていない
    67 30 like ice cream very much. Come on. very muchとCome on.の間に次の訳文を挿入。2003年版では修正された。
    Today our husbands are busy in town.
    68 1 Today our husbands are busy, and そっくり削除してbutに変更。2003年版でも直っていない。
    68 5 In fact I am from Delhi, but I Delhi, と but の間に「つまり私の故国はインドです」にあたる英文を挿入。2003年版でも直っていない。
    78 12 音声教材ではこのあとにを発音しているのでそれを補う。なお、79ページ1行めののあとにもを入れる。2003年版でも直っていない。
    89 7 cook the food. このあとに「私たちには2人の使用人がいる」に相当する英文(We have two servants.など)を補う。2003年版でも直っていない。
    92 9 このあとにを補う。2003年版でも直っていない。
    92 11 この前にを補う。2003年版でも直っていない。
    92 15 What's your routine in England? このあとに「I am interested in this.」を補う。2003年版では修正された。
    142 21 ダイヤログのカーシムの3番目のセリフの3行目。この文自体は正しいのだが、音声教材では左の赤字部分と誤って発音している。「彼女捜索をする」だからなのだが、内容的には「彼女探す」なので誤ってと発音したのだろう。
    151 13 ダイヤログの最終行。このあとで音声教材はを発音している。どちらかに統一すべきところである。
    152 9 この後に句点を挿入。
    316 4    このページに限らず本書はすべてそうだが、6の表記が標準的ではない。標準的な表記はである。2003年版でも直っていない。
    319-320   Appendix 2とAppendix 3の末尾がそれぞれ欠けている 2003年版によれば末尾は次のとおり。
    Appendix 2----
    cousin(material uncle's daughter)

    Appendix 3----
    oblique case2,3transitive verbs12
    ordinal numerals11verbs(see also1,2,9
    participles5,12,13,15 Tenses)12

  7. Bashir Ahmad Qureshi : Standard 20th Century Dictionary, Urdu into English
  8. ページ原文修正提案
    124 右10 クマの絵だけが書いてあって語義が全く書かれていません。bear を補いましょう。
    349 右45 N.M bar. ... 発音だけあってウルドゥー語のスペルが抜けています。の左側にを補いましょう。なお、大見出しの中の小見出しになるので注意。

  9. 町田和彦『ことたび ヒンディー語』
  10. ページ原文修正提案
    117 最終行 日本語の「サンキュー」は、 突然文章が途切れています。 このページは、「旅のメモ・ありがとう」というコラムで、内容的には、 インド人がいかに「ありがとう」といわず、 「ダンニャワード」という言葉がいかに一般的でないかを述べたうえで、 どうしても気軽に「ありがとう」といいたければ、英語のサンキューを使え、 ただしそれはインド式の発音に限る、と言っており、 それに続けて「日本語のサンキューは」というわけです。 町田先生はこの次にいったい何を言いたかったんでしょうか。 とても気になります。
    付記:私が購入した本には入っていなかったのですが、 この件については現在販売されている本には正誤表が入っているらしいです。 それによれば、次の文が抜けているらしいです。
    インド人には sank you 「沈んだ、あなたは」に聞こえてしまいます.ご注意を.
    128 左15
    危険
    危険
    発音のカタカナ表記をするはずのところの「危険」を「カトラー」「カトゥラー」などに訂正。この本ではの区別を認めていないようなのでこれでよいが、区別するのであれば、この語は本来なので、「ハトラー」とすべき。

  11. R.S.McGregor : Oxford Hindi-English Dictionary
  12. ページ原文修正提案
    125 左・下から3行目 ... adj. adj.→f.

  13. 土井久弥編『ヒンディー語小辞典』
  14. ページ原文修正提案
    78 右12 男 キール... 男→女
    163 右39 女 かすんでいること;暗黒;風に舞う埃 もっと重要な「霧、もや」の意味を追加
    164 右6 女 大騒ぎ… 女→男。語義は「見せびらかし、誇示」を中心とすべき。

  15. Rupert Snell : teach yourself hindi dictionary hindi-english/english-hindi
  16. ※初版のせいか、かなりミスが目立ちます。特に、ヒンディー語のアルファベットの順序と食い違った配列や、デーヴァナーガリーとローマ字の不一致(たとえば、ローマ字でとあるのにでなくと書いているなど、主に点の有無に関する不一致)がけっこうあります。
    ページ原文修正提案
    26 左28 M rust
    39 右5 M mist,fog,haze M→F
    40 右25 M sample
    49 左28 M exhibition M→F
    65 左24 M dyer
    65 左26 colourful, bright,
    69 左20 F law practice
    69 左21 M lawyer
    78 右17 cultural
    79 右12 M sister-in-law M→F

※ご意見、ご教示などは、に戻り、掲示板あるいはメールで賜るとありがたく思います。