ジャータカ6(4/6)
青鷺の本生物語

彼らはこの魚の話を聞いて行きたくなって、「よし、旦那様、私たちを連れて行ってください」と言った。
青鷺は最初に、かの片目の大きい魚を捕らえて池の岸に導き、池を見せてから、池の岸に生えているヴァラナの木に止まり、魚を枝のまたに投げ入れてくちばしでつついて死に至らしめ、肉を食べて、魚の骨を木の根のところに落とし、さらに戻って、「私はあの魚を解放した。他の魚も来い」と言って、この方法で一匹一匹を捕らえて、すべての魚を食べて、再び戻ってきたら、一匹の魚も見えなかった。
しかしここに1匹のカニが残っていた。青鷺はカニをも食べたいと思って、「おい、カニよ。私はかの魚たちをすべて蓮に覆われた大きい池に連れて行って放ってやった。おいで、あなたも連れて行こう」と言った。
(カニ)「私をつかまえて行くというが、どうやってつかまえるのか」と。
(青鷺)「(くちばしで)噛んでつかまえるのだ」と。
(カニ)「あなたがそのように捕らえていくなら、私を落とすだろう。私はあなたと一緒に行くまい」と。
(青鷺)「恐れるな。私はあなたをしっかりくわえて行こう」と。
カニは考えた、「こいつの『魚たちを導いて池に放つ』ということはありえないだろう。しかし、もし彼が私を(本当に)池に放つというのならば、それはよいことだ。もし放たなければ、こいつの首を切って命を奪ってしまおう」と。
さて(カニは)青鷺にこう言った。「おい、青鷺よ。お前は本当は私をしっかりくわえることはできないだろう。逆に私たちカニのほうが、つかむ力がしっかりしているのだ。もし私がはさみでお前の首をつかんでかまわないならば、私はお前の首をしっかりつかんで、お前と一緒に行こう」と。

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