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ヒトーパデーシャ1-2(2/4)
老いた虎と旅人
虎は言った。
「おお旅人よ、お聞きなさい。私は以前、青年期にはとても悪行をしておりました。私の息子たちと妻たちは多くの牛飼いたちに殺されて死にました。私には今や家族がありません。するとある有徳の士が私に忠告しました、『あなたは喜捨行などを実行しなさい』と。彼の教えによって今や私は沐浴にふけり、布施を行い、年老いて爪も歯も抜けています。どうして信頼の対象にならないことがありましょうか。そしてこう言われております。
♪供養、学問、喜捨、苦行、真理、忍耐、堅固な心、無欲。これは法(宗教的義務)の8種類の道であると教えられている。このうち前者4つは偽善のために実行されることもあるが、後者4つは高潔の士でなければなしえない。
そして私はこれほど貪欲を離れているので、自分の手にある金の腕輪であっても、ほしがる人には誰にでもあげたいと思っているのです。にもかかわらず『虎が人を食う』という世間のうわさは抑えがたいものがあります。なぜなら次のようであるからです。
♪何でも先例に従う世間は、指導をする娼家の女主人を権威ある者とは認めない。教えに関してはたとえ牛を殺したバラモンであっても信用する。
そして私は経典を学びました。お聞きなさい。
♪砂漠地帯においては雨が飢えをしのぐ食物であるように、貧しい者には喜捨を与えるのがいいのです、パーンドゥの息子(=アルジュナ)よ。
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