パンチャタントラ1-5(8/9)
ヴィシュヌに化けた織工

(織工のセリフの続き)
「あなたは自分の父親に言いなさい。あなたは夜明けに全軍とともに城から出て戦うべし。私も虚空にいて彼らを無力にしてやろう。その後にあなたは敵たちを簡単に滅ぼすだろう。逆に、もし私が自らの手で彼らを殺したならば、彼ら悪人たちは神の楽園に行ってしまうことになるだろう。それゆえ、天国に行かないように、逃げる彼らをあなたがたが殺しなさい」
王女もまたそれを聞いて父の近くに行ってすべての出来事を話した。王もまた彼女の話を信じて、夜明けに起き上がり、よく武装された軍隊を率いて、戦いのために出発した。織工もまた死んでしまうことを決意し、弓を手にして、天空をガルダに乗って行き、戦いのために出発した。
こうしている間に、過去・未来・現在を知る聖なるヴィシュヌは、ふと思い出して笑い出して、やってきたガルダ鳥に言った。
「おい、ガルダよ。おまえは織工が私の姿になって木製のガルダに乗って王女を愛しているのを知っているか」
ガルダは語った。 「神よ、私はそのすべての行為を知っています。いったい私たちは今何をしましょうか」
聖なる尊者ヴィシュヌは言った。 「織工は今日、死ぬ決心で宣誓を実行して戦いのために出発した。彼は必ず最高の武士の矢にうたれて死ぬだろう。彼が死んだならすべての人は、多くの武士たちと戦ってヴィシュヌとガルダは倒された、と言うだろう。するとその後は、世界は私たち二人に崇敬をしなくなるだろう。そこでお前はできるだけ急いであの木製のガルダに入りなさい。彼が敵たちを滅ぼすように、私もまた彼の身体に入るようにしよう。そしてそうすれば、敵を殺戮したということで、我ら二人の威厳は増大するだろう」

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