口上 - サンスクリットリーディング・新約聖書

口上 サンスクリットで聖書を読む意味

文書選択:
デーヴァナーガリーの書式 行間:
デーヴァナーガリーとローマナイズをチェンジ
デーヴァナーガリーフォントの変更
ローマ字フォントの変更

  • 口上
     「サンスクリットの聖書を読もう」。これはまんどぅーかの監修のもとに、女房の真理子が企画したコンテンツです。
     真理子は「ばべるばいぶる」という、さまざまな言語の聖書を読むサイトを作っています。ここにサンスクリットの聖書をスキャンして登録、順次デーヴァナーガリーとローマナイズの両方でテキスト化しているのですが、入力の訂正、原本の誤りの訂正、ローマナイズの訂正のためには、しっかり文章を解読しなければなりません。
     そういう訂正をかねて、今までテキスト化したところを、ホンダ(Gondaの正しい読み方よ)でサンスクリットの初等文法をやっただけの真理子が勉強がてらに解読し、師匠でありマイダーリンのまんどぅーか氏のチェックを仰ぎながら、ここにリーディング教材として掲げていこうというわけです。

    まんどぅーか:なんで聖書なんか読まなくちゃいけないんだよ? こんなこと誰もやらないよ。まったく変態企画にもほどがある。
    真理子:オリジナリティあふれてていいじゃない。どこが変態企画なのよ。
    まんどぅーか:何が悲しくて聖書なんていうインドと関係ない邪悪な本を読まなくちゃいけないんだ! 「インドに来た宣教師がみんなマザーテレサみたいな人だったら、インドはとっくにキリスト教国になっていた」って言った人がいたろ? 誰だったっけ? まあ要するにインドに来た宣教師はろくでもないやつばっかりだったってことさ。キリスト教なんて所詮は邪教、鬼畜米英欧の侵略の手先なんだ。
    真理子:聖書ヲタの私の前でそんなこと言ったらサイトのお手伝いなんかしてあげないわよ。言ったでしょ? 君のやりたいようにさせてあげるからサイトを手伝ってくれって。
    まんどぅーか:でも聖書なんて日本語で読めばいいじゃないか。内容がわかっている文をどうしてサンスクリットで読まなきゃいけないんだ?
    真理子:バッカねぇ。「内容がわかってる文を読むと、純粋に文法や語彙を覚えることができていい」って、あなたがどこかで書いてたことよ。宣教師がすぐに赴任先の言葉を覚えるのはね。赴任先の言語に訳された聖書を暗記するからよ。とっくに内容がわかっている聖書の言葉だから、覚えればすぐに役立つのよ。
    まんどぅーか:でも、聖書は翻訳じゃないか。翻訳の文章なんてぎこちなくて自然なサンスクリットになってるはずがない。
    真理子:翻訳だからこそ難しい文法や修辞は使わないから読みやすいのよ。ほら、明治訳聖書も大正訳聖書も、一葉とか西鶴とか源氏の文章なんかよりははるかにラクでしょ? そのぶん語彙を覚えるのに集中できて便利なわけよ。調子がいいから音読の練習にもぴったりよ。
    まんどぅーか:でも、聖書の言葉って古めかしいじゃん。だからタモリの昔のネタの宣教師みたいな、ヘンな日本語をしゃべるようになる。
    真理子:サンスクリットなんかどうせ古い言葉なんだからいいじゃん。
    まんどぅーか:でも、サンスクリットの次にはヒンディー語、ウルドゥー語もやれって言うんだろ。ウルドゥー語やヒンディー語は新しい文章を使いたいよ。
    真理子:無理よ。新しい文章は著作権の関係で使えないじゃん。作者が死んで50年たった文章なんて、日本語だって古めかしいでしょ? その点、聖書なら著作権の問題がないわ。
    まんどぅーか:でも、お前の買ってきたインド聖書協会の聖書にはどれも、「文書による許諾を得なきゃダメ」って書いてるぞ。
    真理子:大丈夫。インド人って歴史書を作らなかったくらいだから時間の感覚がないみたいね。どの聖書も公表年度を書いてないんだけど、調べたらみんな公表後50年を経てるわよ。そういうことをハッキリ書かずに神様の言葉を私物化して著作権を主張するなんて、インド聖書協会は神をも恐れぬ輩よ。地獄の劫火に焼かれるがいいわ。インド聖書協会の聖書はどんどんスキャンしてネットに曝しちゃえ。
    まんどぅーか:そのうち絶対ベンガル語をやれ、タミル語をやれってなるに決まってる。
    真理子:いいじゃん。同じ聖書の文をいろんな言語に訳したものを読めば、ここは同じ、ここは違うっていうのがわかって面白いはずよ。あなたの持論の「ヒンディー語とウルドゥー語は同じ言葉だ」っていうの、私は信用してないけど、そんなに言うならヒンディー語聖書とウルドゥー語聖書と読み比べてごらんなさいって。絶対面白いネタよ、これ。
    まんどぅーか:しょうがないなぁ。
    真理子:それにさ、聖書って安いから。家計が火の車のウチにはぴったりよ。
    ……というようなやりとりで強引に押し切って、この企画をスタートさせてみました。
     だんなはケガの後遺症でキーボードが辛くなり、女房の私がいないと入力もできないのです。そこで私に協力を頼んでいるのですが、私だって滅私奉公はやりたくありません。それだったらこのサイトを乗っ取って、私のやりたいことも入れてしまいますわ。



  • 新約聖書リーディングについて
     私のサイト、ばべるばいぶるで公開し、順次テキスト化をしている、インド聖書協会のサンスクリット訳新約聖書を、ローマナイズの点検をかねて、リーディング教材化しました。テキスト化をしたところはすべて作ります。
     なお、底本のPDFもアップしました。点検用にお使いください。



  • ページの見方
     他のリーディングと同様です。
    すべての文のローマナイズと読みがなを表示します
    すべての文のローマナイズ、読みがな、解答を表示します
    すべての文のローマナイズ、読みがな、解答を非表示にします
    すべての文のローマナイズ、読みがな、解答を非表示にします
    リーディング目次に戻ります。
    文書選択
    現在の章名と(この章が複数のページからなる場合)ページ番号が記されています。変更するときにはこれを選択してください。章を変更するとページは必ず1になります。
    各文のローマナイズを表示します。もう一度クリックすると非表示になります。なお、「デーヴァナーガリーとローマナイズをチェンジ」している場合は、もちろんのことながら、各文のデーヴァナーガリーを表示する意味に変わります。
    各文の解答を表示します。もう一度クリックすると非表示になります。このボタンは、ローマナイズが表示されなければ出てきません。
    デーヴァナーガリーの書式:
    デーヴァナーガリーの書式を以下から選択します。
    • 通常……通常の書式です。母音で終る語の次に子音で始まる語が来ているときに、スペースを入れます。
    • 語の分かち書き……語の次に必ずスペースを入れます。入門者用テキストを作るのに用います。もっとも母音で終る語の次に母音で始まる語が来ているときは、サンディ(連声)してしまうのでスペースが入れられません。それはローマナイズでも同じことです。
    • 語の分かち書き+複合語要素間を-で区切る……さらに入門者向けに、複合語の要素の間にある-を表示します。
    • スペース除去……こんどは上級者向けに、一切スペースを入れない形にします。これが通常の写本形式です。鎧淳先生が法蔵館から出したホンダ(ゴンダの正しい発音よ!>オランダ語の読めない鎧先生)の読本『サンスクリット 叙事詩・プラーナ読本』を作るとき、もとがローマ字だけだったのに、わざわざデーヴァナーガリーの本を切り貼りして「スペース除去デーヴァナーガリー」の形にして出版するという、なんともご苦労様なことをやりましたけど、いまやパソコンで苦もなくできるようになっちゃいましたわ。
      なお一切スペースが入らないと、ブラウザによってはページの幅におさまりきらないことがあります。
    行間:
    各文の行間を0-30の間で変更します。これを大きくして印刷すれば、書き込みスペースを広くとった勉強用ノートができます。
    デーヴァナーガリーとローマナイズをチェンジ
    デーヴァナーガリーとローマナイズの位置をチェンジします。入門者用に、ローマナイズを先に出すテキストを作るのに使用します。もっともというボタンの表示までは変化しませんので読み替えてください。
  • デーヴァナーガリーフォントの変更
    デーヴァナーガリーフォントを変更します。デーヴァナーガリーフォントはDevanagari @ WAZU JAPAN's Gallery of Unicode FontsとかAlan Wood's Unicode Respircesのリンク集で探すと便利です。
    また、devanagari font download などのキーワードでGoogleなどの検索エンジンで検索してみるのもいいでししょう。必ずしもインド版Googleでなくてもかまいません。
    Microsoft OfficeについてくるArial Unicode MSは、一般には評判が悪いですが、デーヴァナーガリーについてはキレイです。なにしろまんどぅーかネットの画像デーヴァナーガリーは全部これで作りました。今はフリーダウンロードできないのでまんどぅーか友の会からどうぞ。
    ローマ字フォントの変更
    ローマナイズ部分(のすぐ下に出てくる文)のフォントを変更します。解答中のローマ字のフォントは変更しません。
    Windows XP+IE6まででは、記号つきローマ字が文字化けしますが、ここで別フォントを指定すると、(ローマナイズ部分のみですけど)改善する場合があります。Windows標準装備フォントではTahomaがいいでしょう。



  • 他のコンテンツとの仕様の違いについて
     このコンテンツは原則としてまんどぅーかネットの他のコンテンツの仕様にあわせていますが、私・真理子の趣味に合わない部分はいろいろ変更しました。それを列挙しておきます。将来的にはまんどぅーかネットの他のコンテンツもそのように変更する予定です。
    1. デーヴァナーガリーもローマナイズもすべてUnicodeを用います。古いブラウザやOSでは文字化けするかもしれません。申し訳ありませんが、ブラウザやOSを新しくしてください。
    2. 本文のデーヴァナーガリーは、底本からのスキャンを避けて、すべてテキスト化しました。その際、底本の誤植や表記のクセは直してしまいました。たとえば底本は、r+子音字のとき子音字を重ねて書いたり(sarva सर्वをsarvva सर्व्वとか)、śとṣ を混同したり、bとvを混同したりということがひんぱんにあるのですが、そういうものも全部標準化しました。つまりは直してしまいました。そして注記もしてないことが多いです。どうしても元の状況が知りたいなら、底本のPDFも用意しましたのでそれで見てください。
    3. ローマナイズの下に読みガナをつけました。「文章は音読すべし」が真理子の信念です。そしてそれは、インドの伝統でもあるはずです。サンディ(連声)の激しいサンスクリットが、なぜもとの形でなく音変化した形で表記するのか(このため入門者は苦労するのですが)、それはやっぱり、現実の音を大事にしているんだと思います。
       カナなんてとバカにしてはいけません。真理子の敬愛する、『熟語本位 英和中辞典』の斎藤秀三郎も、ドイツ語の関口存男も、みんなカナ派です。関口存男には「振り仮名を軽視する勿れ」という名コラムがあります。『趣味のドイツ語』のp.340、もう著作権フリーなのでPDFで見てください。PDFのページ数だと176ページです。ここに書いてるとおりで、発音どおりに書くはずのドイツ語でも意外に発音はたいへん。ローマナイズでは見れども見えずで、発音がわかったふりになってしまうのです。
       カナ変換の方法は、デーヴァナーガリーパッドの下のほうに書いてあります。
    4. āpta-(←√āp)みたいな過去受動分詞は、いままでまんどぅーかネットでは「過分」と書いてきました(ホンダ文法にあわせているのでしょう)が、受動であることを明らかにするため「過受分」とします。過去能動分詞だってあるんですから。
    5. āptavya-(←√āp)みたいな未来受動分詞は、いままでまんどぅーかネットでは「動形」と書いてきました(ホンダ文法にあわせているのでしょう)が、「未受分」のほうがわかりやすいのでそうします。



  • 著作権
     私たち夫婦は著作権を嫌悪していますので、このリーディングについては、他のコンテンツ同様にCopyleftです。自由にお使いください。
     原本聖書の著作権は、上のやりとりにありますように、消滅しております。この聖書の翻訳年代は1910年ですので、日本では1960年末に著作権が切れました。翻訳・公表年度を明示せず、著作権がさも存続しているかのように書いているインド聖書協会のやり方には怒りを覚えます。