マハーバーラタ 3-54-27
ナラ王物語5-3/3
デーヴァナーガリーはランマンのリーダーのものをそのまま使用。
すべて韻文、ブルハダシュヴァのセリフなので、[詩]表記および(ブルハダシュヴァ)「」表記を略。
語(連声前)
説明
語義
代中単主
〜ことが
代単主
あなたが
能現単2
愛する
形→名女単呼
愛らしい女よ
名男単対
人間を
名男幹
神
名男単処
面前で
日本語訳
…… (ナ)「愛らしい女性よ、あなたが神々の目の前で人間を愛して(私を選んで)くれたこと」
備考
……
語(連声前)
説明
語義
代中単従
それによって
代単対
私を
能命単2
知れ
名男単対
夫を
副
このように
代単属
あなたの
名中単処
言葉(において)
←
過分男単対
[処]に喜ぶ
日本語訳
…… (ナ)「そのことによって、私がこのようにあなたの(神々への誓いの)言葉に喜んでいることをご承知ください」
備考
……
語(連声前)
説明
語義
接
〜する間に
接
そして
代単属
私の
能未複3
保持するだろう
名男複主
生命が
名男単処
身体において
形幹
清純な
名中→形女→名女単呼
微笑をもつ女よ
日本語訳
…… (ナ)「微笑の清純な女性よ、私の身体に生命がある限り」
備考
……
語(連声前)
説明
語義
副
それほど長く
代単処
あなたのところに
能未単1
いるだろう
副
実に
代中単対
これを
能現単1
言う
代単為
あなたに
日本語訳
…… (ナ)「(その限り)私はあなたのそばにいましょう。まことにこのことをあなたに言います」
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名女単対
(人名)を
副
そのように
名女複具
言葉によって
絶
歓迎して
形男単主
合掌している
日本語訳
…… (ナラは)このように言葉によってダマヤンティーを歓迎し、合掌しながら…
備考
…… 合掌しながら何をするのかについては次(64)を参照。
備考
…… この部分、ランマンの註には、「ナラを主語とする主動詞を含む一文が欠落しているようだ」とある。
語(連声前)
説明
語義
代男両主
二人は
副
互いに
←
過分男両主
喜んだ
絶
見て
接
一方
名男幹
(人名)
形男複対
〜をはじめとする
日本語訳
…… 一方、お互いに喜んだ二人は、アグニをはじめとする神々を見て、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
代男複対
かの
副
まさに
名中単対
帰依をした
名男複対
神々を
能完両3
→
参照
名中単具
心によって
副
その時
日本語訳
…… その時、まさにかれら神々に心から帰依しました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
過分男単処
選ばれた(処格絶対節)
接
一方
名男単処
(人名)が(処格絶対節)
名女単具
(人名)によって
名男複主
守護神たちは
頭
偉大な
名中→形男複主
力をもつ
日本語訳
…… 一方、偉大な力をもつ守護神たちは、バイミー(ダマヤンティー)がニシャダ国王(ナラ)を選んだときに、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
過分幹
愉快な
名中→形男複主
心を持つ
形→名男複主
すべての神々は
名男単為
(人名)に
数男複対
8つの
名男複対
賜物を
能完複3
与えた
日本語訳
…… 皆愉快な心になって、ナラに8つの賜物を与えました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
形幹
目の前の
名中単対
見ること(能力)を
名男単処
祭祀において
名女単対
行くこと(能力)を
接
そして
形女単対
最も優れた
形女単対
美しい
日本語訳
…… 祭祀において、(神を)目の前に見る能力と、自由自在な通行能力とを
備考
…… 「最も優れた美しい通行能力」とは、自由自在な通行能力のことらしい。
語(連声前)
説明
語義
名男単為
(人名)に
能完単3
与えた
名男単主
(人名)は
←
受現分男単主
満足させられている
名女幹
(人名)
名男単主
主は
日本語訳
…… シャチーの夫であるシャクラ(インドラ)は、ニシャダ国王(ナラ)に満足させられて、〜を与えた。
備考
…… 与えた内容は前句。
語(連声前)
説明
語義
名男単主
(人名)は
形幹
自己の
名男単対
生起を
能過単3
与えた
接
〜所で
能現単3
願う
名男単主
(人名)が
日本語訳
…… アグニは、ニシャダ国王(ナラ)が願う所で、自己を生起させる能力(火を起こす能力)を与えました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男複対
世界を
形幹
自己の
名女→形男複対
輝きを持つ
接
そして
副
まさに
能完単3
与えた
代男単為
彼に
名男単主
(人名)は
日本語訳
…… そしてフスタシャナ(アグニ神)は、まさに自己の輝きを持つ世界(=火で輝く世界=火の中を通り抜ける能力)を彼に与えました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男単主
(人名)は
接
一方
名中幹
食物
名男単対
味を
能過単3
与えた
名男単処
掟において
接
そして
形女単対
最高の
名女単対
習慣を
日本語訳
…… 一方ヤマ神は、食物の味(を堪能する能力)と、掟における最高の習慣(掟を守る能力)を与えました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名女複属
水の
名男単主
主は
名女複属
水の
名男単対
生起を
副
〜所で
能現単3
願う
名男単主
(人名)が
日本語訳
…… 水の主(ヴァルナ)は、ニシャダ国王(ナラ)が願う所で、水を生起させる能力を与えました。
備考
…… 主動詞がないが、この文とそっくりの
71
同様に
(与えた)を補うとよい。
語(連声前)
説明
語義
名女複対
花環を
接
そして
形幹
最高の
名男幹
香り
形男複主
〜に富む
形→名男複主
すべての神が
接
そして
名中単対
双生児を
能完単3
与えた
日本語訳
…… そしてヴァルナは最高の香りのする花環を与え、そしてすべての神が双生児を与えました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男複対
賜物を
副
このように
絶
与えて
代男単属
この王の
名男複主
神々は
代男複主
彼らは
名中単対
最高天(を)
←
過分男複主
行った
日本語訳
…… このように彼ら神々はこの王に賜物を与えて、最高天に行きました。
備考
…… 「与える」意味を持つ動詞では、為格の意味で属格を使うことがある。
語(連声前)
説明
語義
名男複主
王たちは
接
そして
絶
知って
代男単属
この王の
名男単対
結婚を
名中幹
驚愕
←
過分男複主
〜で満たされた
日本語訳
…… 王たちはこの(ナラ)王とダマヤンティーの結婚を知って驚愕で満たされました。
備考
……
「ダマヤンティーの」は次句冒頭にある。
語(連声前)
説明
語義
名女単属
(人名)の
接
そして
←
過分男複主
喜んだ
能完複3
引き返した
接
〜のように
←
過分中単主
来た
日本語訳
…… 彼らは喜んで来た通りに引き返しました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
過分男複処
行った(処格絶対節)
名男幹
王
名男複処
第一人者(処格絶対節)
名男単主
(人名)は
←
過分男単主
喜んだ
頭
偉大な
名中→形男単主
心
日本語訳
…… 王の中の王たちが帰ったとき、大きな心を持つビーマ王は喜んで、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男単対
結婚を
←
使能完単3
させた
名女単属
(人名)の
名男単属
(人名)の
接
そして
日本語訳
…… ダマヤンティーとナラの結婚式を挙行させました。
備考
…… 二人の名前が対格でなく属格なので、二人は使役の対象ではない。つまり、「ダマヤンティーとナラに命じて結婚をさせた」のではなく「臣下などに命じて二人の結婚式をさせた」ということ。
語(連声前)
説明
語義
絶
とどまって
副
そこに
接
〜ように
形中単主
望む
名男単主
(人名)は
名男複属
人間たちの
形男単主
最高の
日本語訳
…… 人間たちの中で最高の者であるニシャダ国王(ナラ)は、望みのままにそこに止まってから、
備考
……
は本来なら
のはず。
語(連声前)
説明
語義
名男単具
(人名)によって
←
過分男単主
送り出された
能完単3
行った
名中単対
町(を)
形中単対
自分の
日本語訳
…… ビーマ王に送り出されて、自分の町へと戻りました。
備考
……
の根本義は「許す」であり、「去ることを許す」→「送り出す」となる。ナラ王は別に追い出されたわけではなく、ビーマ王に別れの挨拶に行って、去ることを許可されたというわけである。
語(連声前)
説明
語義
副
非常に
←
過分男単主
喜んでいる
名男単主
王は
←
反現分男単主
輝いている
名男単主
太陽
接
〜ように
日本語訳
…… (次句参照)
備考
…… 修飾関係が次句と錯綜しているので訳は次句にまとめる。 なお、アヴァグラハのあとにアヌスヴァーラがあるとき、デーヴァナーガリーでは、アヌスヴァーラ記号は前に移動する。
語(連声前)
説明
語義
←
使能過単3
照らした
名女複対
人々を
名男単主
勇士は
名男単具
掟によって
←
名動能現分男単主
治めている
日本語訳
…… 勇士である王は非常に喜んでおり、掟によって人々を治めながら、まるで輝く太陽のように照らしていました。
備考
……
は名詞起源動詞(または
という10類動詞)という説明のほか、
の使役という説明もある。
語(連声前)
説明
語義
反完単3
まつった
接
そして
接
もまた
名男単具
馬祠祭によって
名男単主
(人名)は
接
〜のような
名男単主
(人名)
日本語訳
…… そしてまた、ナフシャの後裔であるヤヤーティのように馬祠祭によって神をまつりました。
備考
…… 主語は次句の「思慮深い(王)」
語(連声前)
説明
語義
形男複具
他の
接
そして
形男複具
多くの
形→名男単主
思慮深い人は
名男複具
供犠祭によって
接
そして
過分幹
豊富な
名女→形男複具
謝礼
日本語訳
…… また思慮深い王は、他の多くの、豊富な謝礼を払う供犠祭によって(神をまつりました)。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
副
さらに
接
そして
形中複処
魅力的な
名中複処
森において
名中複処
花園において
接
そして
日本語訳
…… さらにまた、魅力的な森や花園で、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名女単具
(人名)(によって)
副
[具]とともに
名男単主
(人名)は
能完単3
遊んだ
名男幹
神
尾男単主
〜に似た
日本語訳
…… 神にも似たナラは、ダマヤンティーとともに遊びました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
使能完単3
生んだ
接
そして
名男単主
(人名)は
名女単処
(人名)において
頭
偉大な
名中→形男単主
心
日本語訳
…… そして心のひろいナラは、ダマヤンティーとの間に〜を生みました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男単対
(人名)
名男単対
息子を
接
そして
接
もまた
名女単対
(人名)を
接
そして
名女単対
娘を
日本語訳
…… インドラセーナという息子と、またインドラセーナーという娘とを
備考
……
と
との間が連声していないことに注意。句中の切れ目の位置ではこのようなこともある。
語(連声前)
説明
語義
副
このように
代男単主
彼は
←
反現分男単主
まつっている
接
そして
←
能現分男単主
遊んでいる
接
そして
名男幹
人
名男単主
主は
日本語訳
…… 人々の主であり、国土の主である彼は、このように神をまつりながら、そして遊びながら
備考
…… 「大地の主である」は次句末にある。
語(連声前)
説明
語義
能完単3
守った
名中幹
富
←
過分女単対
満たされた
名女単対
国土を
名女幹
国土
名男単主
主は
日本語訳
…… 富で満たされた国土を守りました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
接
〜と
名男幹
(人名)
名中単処
物語において
形男単主
第五
名男単主
章
日本語訳
…… 以上、ナラの物語の第五章
備考
……