般若心経・小本(1)
できる限り仏教専門用語訳を排して訳してみた。 宗教・哲学的な意味はまったく考えていない。
語(連声前)
説明
語義
間
[為]に敬礼します
男単為
一切を知った者
日本語訳
…… 一切を知った方に敬礼します
備考
…… 玄奘訳にナシ。岩波の
を改めた。
語(連声前)
説明
語義
形幹
聖なる
名男単主
観世音が
名男単主
菩薩が
形女単処
深い
名女単処
般若波羅蜜多において
名女単対
修行を
日本語訳
…… 聖なる観世音菩薩が深い智慧の彼岸の到達(般若波羅蜜多)において修行を
備考
…… 玄奘訳の「観自在菩薩行深般若波羅蜜多」のあたりに相当
語(連声前)
説明
語義
反現分男単主
実行しながら
能現単3
見極める
副
〜た
日本語訳
…… 実行しながら見極めた。
備考
…… 玄奘訳の「〜時照見」に相当。
は能動態のみに変化するので、反射態現在分詞というのは異例。
語(連声前)
説明
語義
数男複主
5つの
名男複主
区分が
代男複対
それらを
接
そして
名男幹
本性
形男複対
空虚な
能現単3
[対]を[対]とみなす
副
た
日本語訳
…… 5つの区分があり、そしてそれらを空虚であるとみなした。
備考
…… 玄奘訳の「五蘊皆空」に相当。なお玄奘訳の次の「度一切苦厄」は原文にナシ。
語(連声前)
説明
語義
副
この世で
名男単呼
(名)よ
名中単主
形は
名女単主
空の状態
名女単主
空の状態
副
こそ
名中単主
形は
日本語訳
…… シャーリプトラよ、この世では形は空の状態であり、空の状態であるものこそ形である。
備考
…… 玄奘訳の「舎利子」に相当。「この世では〜」以降は対応箇所ナシ。
語(連声前)
説明
語義
名中単従
形と
副
ない
前
[従]と異なる
名女単主
空の状態
名女単従
空の状態
副
ない
前
[従]と異なる
名中単主
形は
日本語訳
…… 空の状態をもつものは形と異ならず、形は空の状態をもつものと異ならない。
備考
…… 玄奘訳の「色不異空、空不異色」に相当。 上の訳文と順番が違うようだが、必ずしもそういうわけではない。
語(連声前)
説明
語義
代中単主
〜であるものが
名中単主
形
代女単主
それは
名女単主
空の状態
代女単主
〜であるものが
名女単主
空の状態
代中単主
それは
名中単主
形
日本語訳
…… 形であるものが空の状態をもつものであり、 空の状態をもつものが形である。
備考
…… 玄奘訳の「色即是空、空即是色」に相当。
語(連声前)
説明
語義
副
このように
副
こそ
名女幹
知覚
名女幹
知識
名男幹
浄化
名中(複合語のため)複主
識別
日本語訳
…… 知覚や知識や浄化の行や識別も、まさに同様である。
備考
…… 玄奘訳の「受想行識、亦復如是」に相当。
語(連声前)
説明
語義
副
この世で
名男単呼
(名)よ
形幹
すべての
名男複主
徳性は
名女幹
空の状態
形男複主
〜の特徴をもつ
日本語訳
…… シャーリプトラよ、この世では、すべての徳性は、空の状態という特徴を持っており、
備考
…… 玄奘訳の「舎利子、是諸法空相」に相当。
語(連声前)
説明
語義
頭
〜ない
←
過分男複主
生じる
頭
〜ない
←
過分男複主
消滅させられる
頭
〜ない
名中幹
汚物
頭
〜ない
形男複主
汚れない
副
ない
形男複主
より少ない
副
ない
←
過分男複主
一杯に満たされる
日本語訳
…… 生じないし、消滅しないし、汚物はないし、純粋でもないし、 より少なくもならないし、一杯に満たされることもない。
備考
…… 玄奘訳の「不生不滅、不垢不浄、不増不減」に相当。
語(連声前)
説明
語義
副
それゆえに
名男単呼
(名)よ
名女単処
空の状態において
副
ない
名中単主
形
日本語訳
…… シャーリプトラよ、それゆえに空の状態においては、形はない(し〜、)
備考
…… 玄奘訳の「是故空中、無色」に相当。
語(連声前)
説明
語義
副
ない
名女複主
知覚
副
ない
名女複主
知識
副
ない
名男複主
浄化
副
ない
名中単主
識別
日本語訳
…… 知覚もないし、知識もないし、浄化の行もないし、識別もない。
備考
…… 玄奘訳の「無受想行識」に相当。 なお、最初の2つは女性単数ととることもできる。
語(連声前)
説明
語義
副
ない
名中幹
目
名中幹
耳
名中幹
鼻
名女幹
舌
名男幹
身体
名中(複合語のため)複主
心
日本語訳
…… 目や耳や鼻や舌や身体や心がなく、
備考
…… 玄奘訳の「無眼耳鼻舌身意」に相当。
語(連声前)
説明
語義
副
ない
名中幹
形
名男幹
音
名男幹
におい
名男幹
味
←
動形幹
触れられるべきもの
名男(複合語のため)複主
徳性
日本語訳
…… 形も音もにおいも味も触れられるべきものも徳性もない。
備考
…… 玄奘訳の「無色声香味触法」に相当。
語(連声前)
説明
語義
副
ない
名中幹
目
名男単主
要素
接
〜までも
副
ない
名中幹
心
名中幹
知識
名男単主
要素
日本語訳
…… 目の要素もないし、はては心や知識の要素もない。
備考
…… 玄奘訳の「無眼界乃至無意識界」に相当。