法華経如来寿量品第十六・自我偈(4)
デーヴァナーガリーはBibliotheca Buddica 10. のものをそのまま1行ずつ用いた。 (p.326 3〜p.326 13)
語(連声前)
説明
語義
副
するな
※本来
名男単対
疑いを
副
ここに
=
反命複2
せよ
形男複呼
賢い者たちよ
←
←
意過分中単対
疑いを
接
そして
能命複2
捨てよ
頭+名男単対→副
ない・残り→残らず
日本語訳
…… 賢者たちよ、ここに疑いを抱くな。疑いを残らず捨てよ。
備考
…… 荻原・土田は
を
に変えている。その場合は
で、
というのは接続詞につくあまり意味のない語尾である。
語(連声前)
説明
語義
←
過分女単対
真実の
能現単1
話す
代単主
私は
=
代女単対
この
名女単対
言葉を
副
偽って
代単属
私の
副
ない
副
まさに
=
副+尾
いつ・(不定)
名女単主
言葉は
能願単3
あるべし
日本語訳
…… 私は真実の言葉を話す。 私の言葉はいつでも偽ったものではありえない。
備考
…… K「汝等有智者、勿於此生疑、当断令永尽、仏語実不虚」
荻原・土田は
を
と変えている。 標準文法では
でよいのだが、女性名詞にかかる俗語形ということだろうか。
語(連声前)
説明
語義
接
〜のように
接
まことに
代男単主
かの
名男単主
医者が
名男幹
巧妙な方法(方便)
←
過分男単主
学んだ
←
過分幹
転倒した
=
名女→形男複属
意識
=
名男複属
息子たちの
前
〜のために
日本語訳
…… 巧妙な方法を学んだかの医師が、意識の転倒した息子たちのために〜
備考
…… 冒頭の
(〜のように)は次部分を含めてくくっている。
語(連声前)
説明
語義
←
能現分男単対
生きている
=
名男単対
自己を
(本来)
→
←
過分男単主
死んだ
接
〜と
能願単3
言うべし
代男単対
かの
=
名男単対
医者を
名男単主
賢者は
副
ない
=
副
偽って
=
←
使能現単3
断定する
日本語訳
…… 生きている自分を死んだと言っても、 賢者はその医者を偽っていると断定はしないようなものである。
備考
…… K「如医善方便、為治狂子故、実在而言死、無能説虚妄、」
荻原・土田は
を
に変えている。
語(連声前)
説明
語義
=
副
そのように
副
まさに
=
代単主
私は
名男幹+名男単主
世界・父
名男単主
自生する者
名男単主
医者
形幹
すべての
=
名女複属
人々の
名男単主
守護者
日本語訳
…… まさにそのように、私は世界の父であり、 自生するもの(他に依存しないもの)であり、 すべての人々の医者であり守護者である。
備考
……
(すべての人々の)は前の「医者」にも後の「守護者」にもかかるのだろう。
には「家来」という意味もあり、
(守護者)に「支配者・主人」という意味があるので、そういう縁語にもなっている。
語(連声前)
説明
語義
←
過分幹
転倒した
名男複対
愚者たちを
接
そして
絶
[対]を[対]と知る
名男複対
子供たちを
+
+
←
+
頭+過分幹
ない・消えた
本来
←
過分幹
消えた
←
使能現単1
見せる
日本語訳
…… そして(意識の)転倒した愚者たちを(このたとえ話の)子供であると知って、 消えていないのに消えたと見せている。
備考
…… K「我亦為世父、救諸苦患者、爲凡夫顛倒、実在而言滅」
語(連声前)
説明
語義
代中単対
何の
名中単対→副
原因
代単為
私に
形幹
絶え間ない
名中単従
見ることにより
※本来
=
形男複主
平然たる
=
能現複3
ある
頭+形男複主
ない・賢い
頭+名男→形男単主
ない・知った者
日本語訳
…… どうしてかというと、私にいつも会っていると、 平然としてしまい、賢くなく、無知なものになり、
備考
……
は本来属格か対格になるところであろう。
語(連声前)
説明
語義
=
←
過分男複主
信頼しきった
名男複処
愛欲において
本来
←
過分男複主
無頓着な
能現複3
ある
名男幹
不注意
前
〜のために
能現単3
落ちる
名女単対
地獄
日本語訳
…… 信頼しきって、愛欲に無頓着になり、その不注意のために地獄に落ちる。
備考
…… K「以常見我故、而生
恣心、放逸著五欲、墮於悪道中」。
語(連声前)
説明
語義
×2
=
×2
名女単対
行為を
絶
知って
形幹
常の
名男単対→副
時間
能現単1
言う
名男複対
衆生を
×2
副
そのように
代単主
私は
日本語訳
…… 私は常に(衆生たちの)行為を知って、それに従って衆生たちに語る。
備考
……
=
は、エジャトンの辞書のp.225にかなりのスペースをさいて出ている。
語(連声前)
説明
語義
副
いかにして
副
まことに
名女単処
覚りにおいて
←
使能願単1
近づかせるべし
=
副
いかにして
名男幹
仏
=
名男複属
教えの
=
能願複3
あるべし
形男複主
得る
日本語訳
…… まことに、いかにして覚りに近づかせるか、 いかにして仏の教えの獲得があるだろうか、と。
備考
…… K「我常知衆生、行道不行道、随所応可度、為説種種法、毎自作是念、 以何令衆生、得入無上道、速成就仏身」(最後はやけにアンバランスな対応)。
語(連声前)
説明
語義
接
〜と
形幹
聖なる
形幹+名男幹+名中単処
(書名)において
名男幹
教え
名男単処
文章において
名男幹+名中幹
如来・寿命
名中幹
尺度
名男幹
章
名中単主
名前
形男単主
第15
日本語訳
…… 以上、『白蓮の花のような正しい教え』という教えの文章における、 「如来の寿命の尺度」章という名の第15章。
備考
…… Kでいえば「妙法蓮華経如来寿量品第十六」というタイトルに相当する部分。 数字の異同は提婆達多品を第12と数えるかどうかの違い。