青鷺の本生物語(1/6) - パーリ語リーディング

ジャータカ38.
註や前後の部分はアナセンのリーダーにないので、 VRIのサイトで補った。

※この話ではアナセンのリーダーに収録されていない前段が非常に長く、2ページ分あるので、アナセンのリーダーの部分だけを見たい人は、青鷺の本生物語(3/6)から読むこと。

[前]

語(連声前)	説明	語義
	副	ない
	形中単対→副	最終には
	名女幹	欺瞞
	形男単主	智慧のある
	接	～と
	代中単主	これは
	名男単主	師匠(世尊)が
	名中単処	(地名)において
	現分男単主	住んでいる
	名男単対	裁縫師
	名男単主	乞食修行者(比丘)
	前	～について
	ア単３	語った

日本語訳…… 「欺瞞の智慧に満ちた者は結局は～ない」という詩を含むこの話は、師匠(世尊)がジェータヴァナ(祇園精舎)において、裁縫師をしている乞食修行者について語ったものである。
備考…… 冒頭３語は、この本生物語の核心である偈(→6ページ目)の冒頭３語を引用したもの。

は本来なら対格の

となるべきところであろう。

[前]

語(連声前)	説明	語義
	数男単主	ある
	副	～という話だ
	名中幹＋形男単主	(地名)に住んでいる
	名男単主	乞食修行者(比丘)が
	代中単対	～ことを
	代中単対	いかなる
	名中単処	衣において
	義中単対	なされるべき
	名中幹	切断
	名中幹	結合
	名中幹	計量
	名中幹	裁縫
	形幹＋尾中単対	～などの
	名中単対	仕事を
	副	そこで
	頭	非常に
	形男単主	巧みな

日本語訳…… ジェータヴァナに住むある乞食修行者が、そこ(ジェータヴァナ)で、衣に関してなされるべきどんな仕事をも、つまり裁断や縫合や採寸や裁縫などの仕事に対してとても巧みであったそうだ。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代男単主	彼は
	代女単具	その
	名女単具	巧みさで
	名男単対	衣を
	現単３	増大させる
	副	それゆえ
	名男単主	裁縫師
	接	～と
	副	まさに
	←反ア単３	知られた

日本語訳…… 彼はその巧みなわざで、まさに「裁縫師」として知られていた。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代中単対	何を
	接	さて
	代男単主	この男は
	現単３	する
	接	～と

日本語訳…… さて、この男は何をするか？というと、
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	形幹	老いた
	名女複処	布において
	名男幹	手
	名中単対	作業を
	連	示して
	形中単対	非常に接触のよい
	形中単対	意にかなう
	名中単対	衣を
	連	作って

日本語訳…… ぼろきれに手作業をほどこして非常に肌触りのよい気持ちのよい衣を作って、
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	名中幹	染料
	名中単処	完結において
	名中幹	粉末
	名中単具	水によって
	連	染めて
	名男単具	ほら貝によって
	連	こすって
	形中単対	美しい
	形→名中単対	快適なものを
	連	作って
	現単３	置く

日本語訳…… 染料を使い切った粉末を水にとかしたもので染めて、ほら貝によってこすって、美しい快適な衣を作って、それでおしまいにする。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	名中幹＋名中単対	衣の仕事を
	不定	すること
	→頭＋現分男複主	ない＋知っている
	名男複主	乞食修行者たちが
	形男複対	傷のない
	名男複対	布を
	連	取って
	代男単属	彼の
	形中単対→副	近くに
	連	来て

日本語訳…… 衣の仕事を知らない乞食修行者たちが傷のない布を持って彼の近くに来て、
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代複主	私たちは
	名中単対	衣を
	不定	作ること
	副	ない
	現複１	知る
	名中単対	衣を
	代複為	私たちに
	連	作って
	命複２	与えよ
	接	～と/td>
	現複３	言う

日本語訳…… 「私たちは衣の作り方を知りません。私たちに衣を作ってください」と言った。
備考……

が複数形になっているのは敬語的用法。

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代男単主	彼は
	名中単主	衣は
	間	友よ
	←受現分中単主	作られている
	形→名中単具	長時間によって
	現単３	終わる
	代単具	私によって
	←過分幹	作られた
	名中単主	衣が
	副	こそは
	現単３	ある

日本語訳…… 彼は「友よ、衣は長い間かかって作られ完成する(のですぐにはできない)。(が、いまここに)私が作った衣がある」
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代男複対	これらの
	名男複対	布を
	連	置いて
	名中単対	それを
	連	取って
	命複２	行け
	接	～と
	連	取り出して
	現単３	見せる

日本語訳…… 「これらの(あなたがたの持ってきた)布を置いて、それ(私の作った)衣を取って行け」と、(彼の作った)衣を取り出して見せる。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代男複主	彼らは
	代中単属	それの
	名男幹	外見
	名女単対	優秀さを
	副	だけ
	連	見て
	名中単対	中を
	→頭＋現分男複主	ない＋知っている
	形中単主	強固な
	接	～と
	連	認識して

日本語訳…… 彼らはその衣の外見の優秀さだけを見て「しっかりしている」と認識し、
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	形幹	傷のない
	名男複対	布を
	名男単為	裁縫師に
	連	与えて
	代中単対	それを
	連	取って
	現複３	行く

日本語訳…… 傷のない布を裁縫師に与えて、それ(裁縫師の作った衣)を取って行く。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代中単主	それが
	代男複具	彼らによって
	＊＊＊＊	わずかな
	形幹	汚れた
	名男単処	時に
	形幹	熱気の
	名中単具	水で
	←受現分中単主	洗われる
	名男単属	自己の
	名女単対	本来の性質を
	現単３	示す

日本語訳…… その衣がわずかに汚れた時に、彼らによってお湯で洗われて自己の本来の性質を示す。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
×２	副	そこに
	形幹	老いた
	名中単主	状態が
	現単３	知られる
	代男複主	彼らは
	形男複主	後悔のある
	現複３	ある

日本語訳…… あちこちにぼろの状態が現れる。彼らは後悔した。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	副	このように
	×２←過分幹＋過分男複対	来る人々を
	名女複具	布によって
	←現分男単主	だましている
	代男単主	かの
	名男単主	乞食修行者は
	副	あらゆるところに
	形男単主	一般に知られた
	形男単主	生じた

日本語訳…… このように、来る人来る人を布によってだましているかの乞食修行者は、あらゆるところで知れ渡ることとなった。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	接	～のように
	接	そして
	代男単主	この男が
	名中単処	(地名)において
	副	そのように
	形男単処	他の
	名男単処	村で
	接	もまた
	数男単主	ある
	名男単主	裁縫師が
	名男単対	世間を
	現単３	だます

日本語訳…… そして、この男がジェータヴァナでしているように、他の村でも、ある裁縫師が世間を欺いていた。
備考……

[前]

語(連声前)	説明	語義
	代男単属	彼の
	形男複主	親しい
	名男複主	乞食修行者たちは
	間	尊者よ
	名中単処	(地名)において
	副	～という話だ
	数男単主	ある
	名男単主	裁縫師が
	副	このように
	名男単対	世間を
	現単３	だます
	接	～と
	ア複３	告げた

日本語訳…… 彼の親しい乞食修行者たちは「尊者よ、ある裁縫師がジェータヴァナで同様に世間を欺いているそうだ」と告げた。
備考……