マハーバーラタ 3-54-1
ナラ王物語5-1/3
デーヴァナーガリーはランマンのリーダーのものをそのまま使用。
1以外すべて韻文、ブルハダシュヴァのセリフなので、[詩]表記および(ブルハダシュヴァ)「」表記を略。
語(連声前)
説明
語義
名男単主
(人名)は
能完単3
言った
日本語訳
…… ブルハダシュヴァは言った。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
接
さて
名男単処
時(処格絶対節)
形男単処
幸運な(処格絶対節)
←
過分男単処
得られた(処格絶対節)
名男単処
太陰日(処格絶対節)
形男単処
清い(処格絶対節)
名男単処
瞬間(処格絶対節)
副
同様に
日本語訳
…… さて、清い太陰日の瞬間に、同様に幸運な時を得て、
備考
…… 格変化する6語はすべて処格になっているが、ランマンの註によれば「The three substantives are locatives absolute with
」とある。つまり
にかかる3つの名詞・形容詞が処格絶対節だというのである。逆にいえば、処格絶対節でない本来の処格の語が2語あるわけだが、上記の通り、前半2語が本来の処格、後半4語が処格絶対節なのであろう。
語(連声前)
説明
語義
能完単3
招いた
名男複対
王たちを
名男単主
(人名)は
名男単主
王は
名男単処
婿選びの式に
日本語訳
…… ビーマ王は王たちを婿選びの式に招きました。
備考
……
の語根は
、
などいろいろな形で記述されるが、ランマンでは
。
語(連声前)
説明
語義
名中単対
それを
絶
聞いて
名男複主
王たちは
形男複主
すべての
名男幹
愛
←
過分男複主
苦しめられた
日本語訳
…… 愛にもだえたすべての王たちはそれを聞いて、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
過分男複主
急いだ
能完複3
一緒に近づいて来た
名女単対
(人名)(を)
形男複主
得ようと思う
日本語訳
…… ダマヤンティーを得ようと思って急いで集まってきました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名中幹
黄金
名男幹
柱
形男単対
光る
名中単具
弓形の門によって
←
過分男単対
輝いた
日本語訳
…… 黄金の柱が光り、弓形の門で輝かしい、
備考
…… 二つの男性単数対格形の形容詞は、次句の
(会場)にかかる。
語(連声前)
説明
語義
能完複3
入った
代男複主
かの
名男複主
王たちは
名男単対
会場(を)
頭
偉大な
名男複主
獅子
接
〜のように
形男単対
堂々たる
日本語訳
…… 堂々たる会場に、かの王たちは、まるで偉大な獅子のように入りました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
副
そこで
名中複処
座席において
形中複処
種々の
←
反現分男複主
座っている
名女幹
大地
形→名男複主
を支配している者たちが
日本語訳
…… そこでは、大地の支配者たちが、種々の座席に座っています。
備考
…… 次句から先に訳すとよい。
語(連声前)
説明
語義
形幹
芳香のある
名女幹
花環
形男複主
〜を有する
形男複主
すべての
←
過分幹
清められた
名男幹
宝石
名中→形男複主
耳輪
日本語訳
…… 芳香のある花環をかけ、清められた宝石の耳輪をつけ
備考
……
語(連声前)
説明
語義
副
そこで
副
(過去)
←
過分男複主
たくましい
受現複3
見られる
名男複主
腕が
名男幹
鉄のかんぬき
形男複主
〜に似た
日本語訳
…… そこでは、鉄のかんぬきのような数々のたくましい腕が見られます。
備考
…… 「腕」に次句の内容もかかるので、次句の内容を適当な場所(たとえば「そこでは、」の次)に挿入すべき。
語(連声前)
説明
語義
形男複主
よい形の
頭
たいそう
形男複主
円滑な
数幹
5
名中→形男複主
頭
接
〜のように
名男複主
竜神
日本語訳
…… よい形で、たいそうつややかで、5つの頭をもつ竜神のような
備考
…… この部分は前句の「腕」の形容である。
語(連声前)
説明
語義
形中複主
もとどりの美しい
形中複
愛らしい
頭
美しい
名女幹
鼻
名中幹
目
名女→形中複主
眉
接
そして
日本語訳
…… もとどりが美しく、愛らしく、そして鼻と目と眉が美しい〜
備考
…… これらはすべて次句の
(顔)にかかる。
語(連声前)
説明
語義
名中複主
顔が
名男複属
王たちの
反現複3
輝く
名中複主
星
接
〜のように
名女単処
天において
日本語訳
…… 王たちの顔が、まるで天における星のように輝いています。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名女単主
(人名)は
接
すると
名男単対
会場(を)
能完単3
入った
形幹
美しい
名中→形女単主
顔
日本語訳
…… すると会場に、美しい顔のダマヤンティーが入りました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
能現分女単主
盗む
名女単具
輝きによって
名男複属
王たちの
名中複対
目を
接
そして
名中複対
心を
接
そして
日本語訳
…… 輝きによって、王たちの目と心を奪いながら、
備考
……
は第9類なので、現在分詞
の女性形は本来
となるはずであり、
となっているのは文法的には破格。
語(連声前)
説明
語義
代女単属
彼女の
名中複具
四肢において
←
過分女単主
落ちた
代男複属
彼ら
名女単主
視線は
形→名男複属
高貴な人たちの
日本語訳
…… 見ている彼ら高貴な王たちの視線は彼女の身体に注がれました。
備考
…… 「見ている」は次句の
の訳語。
語(連声前)
説明
語義
副
そこで
副
そこで
副
まさに
←
過分女単主
執着された
能ア単3
あった
副
(
とともに)〜することなしに
能完単3
動いた
接
→(2つ上の
を見よ)
←
能現分男複属
見ている
日本語訳
…… (王たちの視線は)動くことなく、まさに(彼女の歩く)ここそこにしばりつけられていました。
備考
…… 最後の
がわかりにくいが、前句の
と同格の現在分詞。
語(連声前)
説明
語義
接
その後
←
名動受現分中複処
宣言されている(処格絶対節)
名男複属
王たちの
名中複処
名前が(処格絶対節)
名男単呼
(人名)よ
日本語訳
…… バラタ王の後裔である(ユディシティラ)大王様、その後、王たちの名前が読み上げられているときに、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
能完単3
見た
名女単主
(人名)は
名男複対
男たちを
数男複対
5人の
形幹
等しい
名女→形男複対
容貌
副
そこで
日本語訳
…… バイミー(=ダマヤンティー)はそこに、等しい容貌の5人の男たちを見ました。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
代男複対
彼らを
絶
見極めて
接
すると
代男複対
すべての
形幹
等しい
名女→形男複対
容貌
←
過分男複対
立った
日本語訳
…… 彼らすべてが等しい容貌で立っているのを見て、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男単従
疑惑から
接
すると
名女単主
(人名)は
副
ない
能過単3
認識する
名男単対
(人名)
名男単対
王を
日本語訳
…… するとヴィダルバの王女(=ダマヤンティー)は疑わしさによって、ナラ王を認識できませんでした。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
×2
代男単対
〜する者を
接
なぜなら
反完単3
見た
代男複属
彼らの
×2
代男単対
彼を
反完単3
考えた
名男単対
(人名)
名男単対
王を
日本語訳
…… なぜなら、彼女が見た彼らのうちの誰もが、ナラ王であると思われたからです。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
代女単主
かの
←
能現分女単主
考えている
名女単具
理性によって
接
そこで
能完単3
考えた
形→名女単主
美しい女性は
日本語訳
…… そこでかの美しい女性は理性によって考え、〜と考えました。
備考
…… 「考える」が重複するが、後半の
は、次句を目的語にしている。
語(連声前)
説明
語義
副
どうして
副
実に
名男複対
神々を
能願単1
私は知るべし
副
どうして
能願単1
私は知るべし
名男単対
(人名)
名男単対
王を
日本語訳
…… どうやって神々を見破り、どうやってナラ王を識別することができるだろうかと。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
副
このように
能現分女単主
思い巡らしている
代女単主
かの
名女単主
(人名)は
形幹
非常に
形女単主
悩んだ
日本語訳
…… このように思い巡らしながら、とても困ったかのヴィダルバの王女(=ダマヤンティー)は、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
←
過分中単対
聞かれた
名男幹
神
名中単対
特徴が
能完単3
考えた
名男単呼
(人名)よ
日本語訳
…… バラタ王の後裔である(ユディシティラ)大王様、彼女は(以前に)神々の特徴を聞いたことを思い出したのです。
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名男複属
神々の
代中単対
かの
名中単対
特徴を
形→名男複従
尊敬すべき人々から
←
過分中単対
聞かれた
代単為
私に
日本語訳
…… (ダ)「私が尊敬すべき人々から聞いた、神々のかの特徴を」
備考
…… 最後の
は具格の代用としての為格。受動文における意味上の主語を表す。ただし属格説もあるようだ。
語(連声前)
説明
語義
代中単対
それを
副
ここで
←
能現分男複属
立っている
名女単処
大地において
数男単属
1つの
接
さえも
副
ない
反現単1
気づく
日本語訳
…… (ダ)「ここの大地に立っている神々のうちの一人のもの(特徴)てさえも、私は気づかないだろうか」
備考
……
語(連声前)
説明
語義
代女単主
彼女は
絶
熟慮して
副
さまざまに
絶
思案して
接
そして
×2
副
再び
日本語訳
…… 彼女はさまざまな熟慮して、そして何度も何度も思案して、
備考
……
語(連声前)
説明
語義
名中単対
保護を
副
〜に対して
名男複属
神々の
←
過分幹
到達した
名男単対
時間を
反過単3
考えた
日本語訳
…… 神々の保護の時がやってきたと考えました。
備考
……