マハーバーラタ 3-163-18
ゴンダ文法選文9にも採録(その2)
[詩]
語(連声前)
説明
語義
能現分男単主
打ちたたき
名男単具
獣の鼻で
名女単対
大地を
能現分男単主
蹴立て
名男複具
足で
接
もまた
日本語訳
…… 鼻で大地をたたき、足でもまた大地を蹴立て、
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
使現分男単主
こすり
名中単具
腹で
名女単対
大地を
能現分男単主
転がり
接
そして
×2
副
繰り返し
日本語訳
…… また繰り返し腹で大地をこすりながら転がっている。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
前
[対]に続いて、後ろに
代男単属
それの
接
しかも
名男単対
怪物(を)
形中単主
偉大なる
名男幹
キラータ族の王子
←
過分中単主
〜の形をしたものが
日本語訳
…… しかもその怪物の後ろには、偉大なるキラータ族の王子の姿をして、
備考
…… 最後の「キラータ族の王子の形をしたもの」に関する説明がまだ次へ続く。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
名中幹
弓
名男幹
矢
名男幹
剣
尾中単主
〜を持った
←
過分中単主
得られた
名女幹
女
名男幹
群れ
←
過分中単主
従った
副
その時
日本語訳
…… 弓と矢と剣を持ち、女性たちの一群を従えた怪物を、その時に見た。
備考
…… 直訳は「〜怪物が得られた」
[詩]
語(連声前)
説明
語義
接
かくて
代単主
私は
名中単対
弓を
絶
取り
副
そして
形女両対
不滅の
形幹
大きな
名女両対
えびらを
日本語訳
…… かくて私は弓と、尽きることのない大きなえびらとを取り、
備考
…… えびら(矢を入れる武具)が不滅だというのは、矢が尽きることがないということだろう。 両数になっているからには、左右一対になっているのだろうか?
[詩]
語(連声前)
説明
語義
←
使能過単1
打った
名男単具
矢で
接
さらに
代中単対
その
名中単対
怪物を
形中単対
身の毛を逆立てた
日本語訳
…… その、身の毛を逆立てるほどぞっとする怪物に対して矢を放った。
備考
…… 身の毛を逆立てているのは怪物ではなくアルジュナである。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
副
同時に
代男単対
彼を
名男単主
(部族名)
接
しかし
絶
弓をひく
形中単対
力強い
名中単対
弓を
日本語訳
…… しかし同時に、キラータ族(の姿の怪物)が力強い弓をひき、
備考
……
というのはイノシシの姿の怪物をさしているのだろが、 怪物(
)は中性名詞なのだから
でないとおかしい。
京大の徳永宗雄先生の入力なさったe-Text
では
になっている。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
反完単3
打った
形幹+尾中単対
より力強い
←
使能現分男単主
震えさせる
接
〜ように
代単属
私の
名中単対
心を
日本語訳
…… 私の心を震わせるかのように、(私より)力強い矢を放った。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単主
彼は
接
しかし
代単対
私(を)
能過単3
言った
名男単呼
王よ
代単属
私の
形幹
先の
名男単主
所有物が
日本語訳
…… 王よ、しかし彼は私に言った。(キラータ)「私が先に所有したものを」
備考
…… 最後は主格だが、次部分とあわせて受身文になっているので、 「〜ものを」のように意訳した。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
名女幹
狩り
名男単対
おきてを
絶
無視して
副
なにゆえに
←
使過分男単主
打たれた
代単具
おまえによって
日本語訳
…… (キラータ)「狩りのおきてを無視して、なぜお前は打ったのか」
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単主
これ→私
代単属
お前の
形男複具
するどい
名男複具
矢によって
名男単対
傲慢さを
能現単1
打つ
形男単主
堅固な
能命単2
あれ
日本語訳
…… (キラータ)「私はするどい矢によってお前の傲慢さをたたいてやる。覚悟せよ」
備考
…… 冒頭の
が
(私は)だというのはゴンダ文法に註あり。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単主
かの
形男単主
弓をもった
頭
巨大な
名男単主
身体は
接
すると
代単対
私(を)
反過単3
[対]にむかって突進した
日本語訳
…… するとその弓を持った巨大な身体の男は、私にむかって突進してきた。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
接
すると
名男単対
山
接
〜のように
副
度を超えて
能過単3
覆った
代単対
私を
頭
多くの
名男複具
矢によって
日本語訳
…… すると山のように度を超えて、数多くの矢が私にふりかかった。
備考
…… 形式上の主語は、キラータ族の怪物。 次文を見ればそれが明確になる。 「AがBをCで覆う」→「CがBにふりかかる」のである。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単対
彼(を)
接
そして
代単主
私は
名男幹+名男単具
矢の雨によって
形男単具
大きな
能過単1
あびせかけた
日本語訳
…… 私も彼に、大きな矢の雨(大雨のように多数の矢)をあびせかけた。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
接
それから
名男複具
矢によって
←
過分幹
光り輝く
名中→形男複具
矢頭
形男複具
張りつめた弓で射られた
形男複具
呪文で浄められた
日本語訳
…… それから弓をいっぱいに張りつめて、呪文で浄められ、矢頭が光り輝く矢によって、
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
能過単1
射た
代単主
私は
代単対
彼を
接
(強意)
名男複具
金剛杵で
接
〜のように
名男単対
山を
日本語訳
…… 私は彼を、あたかも山を金剛杵(インドラ神の武器)で打つように彼を射た。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単属
彼の
接
すると
副
百重に
名中単主
姿は
能過単3
なった
接
そして
副
千重に
日本語訳
…… すると彼の姿は百重、千重になった。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代中複対
それらの
接
そして
代男単属
これの
名中複対
肉体を
名男複具
矢で
代単主
私は
←
使能過単1
打った
日本語訳
…… 私は矢によってこの男のそれら(百重、千重)の肉体を打った。
備考
……
[詩]
語(連声前)
説明
語義
副
再び
代中複主
それらの
名中複主
肉体が
←
過分中複主
合一した
名男単呼
(民族名)よ
日本語訳
…… バーラタ(=大王)よ、それらの肉体が再び合一するのが〜
備考
…… ここ全体が次の
の主語になっている。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
受過複3
見られた
名男単呼
大王よ
代中複対
それらを
代単主
私が
能過単1
吹き飛ばした
副
しかし
日本語訳
…… 〜が見られた。大王よ、しかし私はそれらを吹き飛ばした。
備考
……