法華経如来寿量品第十六・自我偈(2) - サンスクリット語(梵語)リーディング

デーヴァナーガリーはBibliotheca Buddica 10. のものをそのまま１行ずつ用いた。 (p.324 5～p.325 2)
すべて詩なので[詩]表示を省略。方言的な語句の場合、「語(連声前)」欄は上が元の形、＝で示したのが標準的な言い方。

日本語訳…… そして後に私は彼らにこのように言う。「私はまさにここにいる。ここから消えたことはなかった」
備考…… ここから自我偈の最後まで、世尊のセリフと考えるべきであろうが、以下「　」印を省略する。

日本語訳…… 托鉢行者(比丘)たちよ、私の巧妙な方法の便利さというわけで、私は何度も何度もこの世界に現れるのだ。
備考…… Ｋ「我時語衆生、常在此不滅、以方便力故、現有滅不滅」

日本語訳…… 他の衆生は私を尊敬するので、私は彼らに最高の覚りを見せる。
備考……

日本語訳…… しかしあなたがたは私の声を聞かず、「かの世界の支配者がよそへと消えた」と思う。
備考…… Ｋ「余国有衆生、恭敬信楽者、我復於彼中、為説無上法、汝等不聞此、但謂我滅度」。

(為格)は本来属格であるべき。

日本語訳…… 私は衆生たちが苦しめられているのを見るが、私は自己の存在を見せない。
備考……

日本語訳…… (衆生は)私を見ることの渇望を非常に大きく熱望せよ。 (そうしたら)私は正しい教えを示そう。
備考…… Ｋ「我見諸衆生、没在於苦悩、故不為現身、令其生渇仰、因其心恋慕、乃出為説法」。

日本語訳…… 考えられない数百億カルパの間、この私の居場所は常にこのようであった。
備考……

日本語訳…… 他の数千万の寝台や座席があったとしても、私はここグルドラクータ山から消えることはない。
備考…… Ｋ「神通力如是、於阿僧祇劫、常在霊鷲山、及余諸住処」。ただし「神通力如是」にあたる部分はここにも前にもない。

日本語訳…… たとえ衆生がこの世界を見て(地獄の火で)焼かれているとみなす時でさえも、
備考……

日本語訳…… そのような時でも私のこの仏の土地は、風神や人間たちでいっぱいである。
備考…… Ｋ「衆生見劫尽、大火所焼時、我此土安隠、天人常充満」

日本語訳…… 彼らにはさまざまな遊戯と快楽があり、数千万の遊園、宮殿、天空をかける車がある。
備考……

日本語訳…… そして、宝石の山や、花や果実をそなえた木々によって飾られている。
備考…… Ｋ「園林諸堂閣、種種宝荘厳、宝樹多花菓、衆生所遊楽」