屍鬼二十五話-2(3)
語(連声前)
説明
語義
代男単主
〜者が
名中単処
墓地で
能現単3
いる
代男単具
〜者によって
(←
)
過分男単主
問われた
日本語訳
…… 墓地にとどまっていた男がたずねた。
備考
…… 墓地にとどまっていた男というのは2番目の求婚者である。
語(連声前)
説明
語義
間
おお
名男単呼
友よ
名中単処
他国へ
絶
行って
代女単主
ある
尾
名女単主
知識が
(←
)
過分女単主
知られた
日本語訳
…… おお友よ、他国へ行って何か知識を得たか?
語(連声前)
説明
語義
代男単具
彼によって
(←
)
過分中単主
言われた
名男幹
死者
形女単主
蘇生させる
名女単主
知識が
単具
私によって
(←
)
過分女単主
知られた
日本語訳
…… 彼は言った「死者を蘇生させる知識を私は知った」
語(連声前)
説明
語義
数男単具
第2(の人)によって
(←
)
過分中単主
言われた
副
それでは
代女単対
この
名女単対
愛人を
(←
(生きる))
使能命単2
蘇生させよ
日本語訳
…… 2番目の求婚者が言った。「それではこの愛する人を蘇生させよ」
語(連声前)
説明
語義
代中単対
それを
絶
聞いて
代男単具
彼によって
名中単主
本が
絶
開かれて
名中単主
呪文が
代中単主
1つの
絶
唱えられて
日本語訳
…… それを聞いて、彼は本を開き一つの呪文を唱えて
備考
…… 絶対詞は受動の意味もあらわす(受動であっても形は同じ)。
語(連声前)
説明
語義
名中単具
水によって
絶
注がれて
(←
←
)
使過分女単主
生き返った
名女単主
少女は
日本語訳
…… 水を注いで少女は生き返った。
備考
…… 前部分から「男によって○○が××された」と続いてきているのだから、
(水によって)は本来
(水が)でなければならない。
語(連声前)
説明
語義
代男単主
〜者が
前
ともに
副
まさに
(←
)
過分男単主
死んだ
代男単主
彼は
副
もまた
(←
)
過分男単主
生きた
日本語訳
…… 一緒に死んだ者もまた生き返った。
備考
…… 彼女の火葬のたきぎに投身して死んだ第1の求婚者のこと (→
(1)の18
)。
語(連声前)
説明
語義
代男単主
〜者は
名中単処
家へ
(←
)
過分男単主
行った
代男単具
彼によって
絶
聞かれて
(←
)
過分中単主
やって来た
副
もまた
日本語訳
…… 家に行った者もまたそれを聞いてやって来た。
備考
…… 自宅に帰った第4の求婚者のこと (→
(1)の21
)。
語(連声前)
説明
語義
名女単属
彼女(の)
副
[属]を求めて
名男幹
怒り
形幹
盲目の
名中→形男複主
目
数男複主
4
副
すべて
名男単対
けんか
能現複3
する
日本語訳
…… 彼女のために怒りで盲目となった彼ら4人はみんなけんかをした。
語(連声前)
説明
語義
代男単属
誰の
名女単主
妻が
能現単3
なる
受命単3
聞かれるべし
日本語訳
…… 誰の妻になる(べき)か? 聞け。
備考
…… 前文までで説話本体はおしまい。 ここからは『屍鬼二十五話』の枠物語になる。 王が肩にかついだ死体にとりついた屍鬼が、 解決のついていない話を王にさまざま聞かせ、 王に解答を求める、というのが『屍鬼二十五話』の枠物語。 「誰の妻になるべきか」という部分は、 屍鬼が王に質問をしているのであり、 「聞け」から最後までは王の解答である。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単具
〜者によって
(←
←
)
使過分女単主
生き返った
名女単主
少女は
代男単主
彼は
名男単主
父
名中幹
生命
形男単主
与えた
日本語訳
…… 少女を生き返らせたものは、生命を与えた父である。
備考
…… 前半の直訳は「彼によって少女が生き返させられた、その者は〜」。 「少女を蘇生させた第3の求婚者は、 少女の父ではあるかもしれないが、夫には不適である」ということ。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
代男単主
彼は
副
ともに
副
まさに
(←
)
過分男単主
死んだ
代男単主
彼は
副
もまた
名男単主
兄弟
(←
)
過分男単主
生まれた
副
ともに
副
まさに
接
〜だから
日本語訳
…… 彼女と一緒に死んだ者もまた、一緒に生き返ったのだから兄弟である。
備考
…… 一緒に生き返った第1の求婚者も、兄弟ではあるかもしれないが夫には不適だ、ということ。
[詩]
語(連声前)
説明
語義
名中複属
灰の
名男単対
集めることを
絶
して
名中単処
墓地に
代男単具
〜者によって
(←
)
過分中単主
留まった
日本語訳
…… 灰集めをして、墓地にとどまっていた者は〜
[詩]
語(連声前)
説明
語義
形幹
卑しい
名中単対
作業(を)
代男単主
彼は
名中単主
召使
能願単3
あるべし
代男単主
彼は
名男単主
夫
代男単主
〜者は
名中単処
家で
(←
)
過分男単主
行った
日本語訳
…… 卑しい仕事をしたものは召使たるべし。家に行った者が夫だ。
備考
……
は前部分の
と同格で対格になっている。 だから前文から一気に、 「灰集めという卑しい仕事をして、墓地にとどまっていた者は、召使になるべし」 と訳すほうがいい。 要するに2番目の求婚者は召使、残りの4番目の求婚者こそが夫だ、というわけである。